
玉川大学
「全人教育」を通じて創意工夫し歩み続ける力を
自然に包まれた広大なキャンパスに、文系・理系・芸術系の8学部17学科が揃う玉川大学(東京都町田市)。1947年の誕生以来、教育理念「全人教育」の下で、知識に加えて豊かな人間性と人格をも育む教育を実践してきた。近年は最先端の学修環境づくりのほか、自治体や他大学との連携にも力を入れており、学生の力を最大限に伸ばすべく歩みを進めている。その背景にある思いや同大の魅力について、小原一仁学長に伺った。
学生と教員の距離が近く学びから人格形成まで伴走
玉川大学は、大学院や通信教育課程をあわせて8000人以上が学ぶ総合大学だ。約61万平方メートルもの広大な敷地には、全学部学科に加えて玉川学園の幼稚部から高等部までが集まっており、キャンパスに多様な年齢層の人々が行き交う総合学園でもある。
この学園全体に息づいているのが、100年近く受け継がれてきた教育理念「全人教育」だ。小原学長は、全人教育について「一人ひとりの中で学問(真)・道徳(善)・芸術(美)・宗教(聖)・健康(健)・生活(富)という六つの分野を調和的に伸ばしていくことを目指す教育」と解説する。
「全人教育は、自分の興味関心を深掘りする、善悪を判断する力や美に対する感性を育む、謙虚さを養うといったことを重視しています。そのためには、心身の健康や豊かさの本質に目を向ける姿勢も欠かせません。学生には、そうした力を養う4年間にしてほしいと思っています」
学びを軸としながら人格形成まで伴走する教育は、同大ならではの特徴と言えるだろう。その背景には、社会に出た後に困難に直面しても、創意工夫しながら目標を目指して歩んでいける人になってほしいという強い願いがある。
こうした願いが全学に浸透しているためか、学生に丁寧に寄り添う姿勢は校風の一つにもなっている。少人数制や学級担任制によるきめ細かな指導には定評があり、学生と教職員の距離も近い。小原学長は教職員の特徴を「懐が深く、学生の未来を真剣に考えている人ばかり」と語る。
一方、学生の視野を広げる環境づくりにも熱心だ。カリキュラムでは、学生が自身の学部の校舎という閉じた空間だけで過ごすことがないよう、多くの校舎を使う仕組みを構築。キャンパス内を移動したり、他学部の雰囲気に触れたりするための仕掛けが功を奏してか、学部学科の枠を超えて共同作業ができるSTREAM Hall 2019や、ラーニング・コモンズを擁する教育学術情報図書館の利用率は全学的に高まっているという。
産学連携や地域連携で学びを実践に移す機会を
さらに近年は、学生が実社会と関わる機会の創出にも積極的に取り組んでいる。昨年度には企画・製造会社との産学連携プロジェクトを実施したほか、ワシントンDCで開催されている全米桜祭りへの継続的な出演、横浜市で行われる「GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)」への花・緑出展内定など、国内外のイベント参加も目白押しだ。
自治体との連携活動も盛んだ。地元の町田市に加えて全国8自治体と包括連携協定を結んでおり、地域創生プロジェクトや教育支援事業などが継続的に行われている。中でも、農学部が農場を置く地域との連携事業は歴史が長い。
さらに、2月には学生の企画運営による小学生向けのスポーツイベントも開催。同大は「教員養成の玉川」と言われるほど多くの教育者を輩出しており、教職課程で学ぶ学生と地域の子どもたちとの交流を望む自治体も多いという。
「フィールドワークは、教室で学んだ理論を実践に移すとどんな課題が発生するのか、身をもって体験できる機会。産学連携や地域連携は、理論と実践の行き来が実現できる、学生にとって大きな糧となる貴重な場だと思っています」
「ただ、大学や教員がこうした機会を提供しても、本人が自ら手を挙げなければ恩恵を享受できません。今後は『参加したいけれど積極的に行動するのは苦手』という学生へのアプローチ方法も検討していきます」
小原学長の言葉からは、すべての意欲ある学生を丁寧にサポートしていこうという強い思いがうかがえる。この思いこそ、同大が「面倒見がいい」といわれるゆえんだろう。
社会課題を解決するための取り組みも強化している。全国的な小学校教員不足の解消に向けて、5月には佛教大学と「教職アライアンス協定」を締結。教員養成に定評のある両大学の通信教育課程を活用して、来年度からは希望する大学に小学校教諭二種免許状の取得に必要な科目を提供していく予定だ。
小原学長は「今後も全人教育が掲げる理想を絶やすことなく、外部との連携も深めながら活動を継続していく」と力を込める。
「玉川大学の教職員は全員が学生の味方です。教員は一人ひとりの学修や成長に真剣に向き合っており、職員の多くが卒業生で、身近な先輩として寄り添ってくれます。その共に歩む姿勢と温かさを信じて、ぜひ本学に飛び込んできてほしいと思います」
【TOPIC】
世界大会で銀・銅メダルの活躍体育会ダンスドリルチーム 「JULIAS」
玉川大学では全人教育の一環として「健康」を重視していることから、体育会の活動も盛んだ。中でも活躍目覚ましいのがダンスドリルチーム「JULIAS(ジュリアス)」で、2025年には全日本チアダンス選手権大会の3部門で3冠を達成。圧倒的な実力を見せつけ、名実ともに日本チアダンス界の頂点に立った。
さらに2026年4月には、パフォーマンスチアの世界最高峰の大会として知られる「ICU 世界チアリーディング選手権大会」の3部門に日本代表として出場。米国フロリダ州オーランドで開催されたこの大会で、出場部門すべてで決勝に進出し、うち2部門で銀メダルと銅メダルに輝いた。
1992年の創部以来、チームワークとパフォーマンスに磨きをかけ続けてきたJULIAS。長年にわたり世界でも活躍を続ける中で、部員たちは学業と両立しながら日々練習に励む。さらなる躍進に大きな期待が寄せられている。