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総合型選抜入試対策

「非認知スキル」を磨き人生をデザインする

 大学入試を取り巻く環境が変化する中で、出願書類や面接などで審査する総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜への導入が活発化しています。2025年度は総合型選抜での入学者が全体の半数を超え、31年度には7割を占めるというデータもあります。

 偏差値だけでは測れない大学入試へどう対処していくか。20年以上にわたり総合型選抜に特化した指導に取り組み、延べ3万人以上の合格実績を持つ日本アドミッションオフィサー協会理事の青木唯有(ゆう)氏にお聞きしました。

大学入試を取り巻く環境の変化

 1990年に慶応義塾大学が日本で初のAO入試を実施し、2020年度には「AO入試」が「総合型選抜」へ、「推薦入試」が「学校推薦型選抜」へと名称変更されました。以降、着実に広がりを見せる一方で、「合格基準があいまい」「一芸入試」といった誤解もあります。しかし、総合型選抜は、もはや大学入試の特殊な入り口ではなく、「正面玄関」になってきています。人生を自分自身の責任でどう切り開いていくのか、自分という主語で自在の発想を問う総合型選抜の導入は、時代の要請でもあるのです。

 また、少子化を背景に大学も淘汰(とうた)される時代です。その裏で、ミスマッチによる意欲の低下で大学の中退率も上がっています。そんな中で大学側も、ふるい落としていく選抜から、アドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)に合致した学生を取りに行く「人材獲得型」へと変化してきたというのが、総合型選抜が主流になってきた一つの背景です。

どのように対策をするべきか

 総合型選抜の最大の特徴は、偏差値に代表される認知能力以上に「非認知スキル」が問われる点です。これまで一度も考えたことのないような正解のない想定外の問題が、次から次へと問われます。知識だけでは太刀打ちできません。洞察力や判断力、多角的な視点といった「非認知スキル」を鍛えるために、まず、自分とは何者なのかを徹底的に掘り起こす必要があります。もちろん、教科の勉強を否定すべきではありません。「知識を操縦する担い手」をイメージして自分に向き合ってみましょう。これまでのライフイベントや挫折を振り返り、今の自分を形成しているものを「言語化」し「可視化」する。自分自身に向かい合っていく時間が大事になります。

保護者が出来ること

 親子関係の構築も大事です。大学入試は「家族で向かっていく最後のイベント」です。子どもの意見を遮るのではなく、ともにじっくりと考えていく。保護者自身の職業観を語ることも非認知スキルのトレーニングになります。自分が何をしたいのか、誰と出会いたいのか。子どもたちが考えに没頭できる環境を作ってあげるのも親の役割です。

 今は、自分だけの生き方を生み出していく「生き方の発明の時代」です。大学をどう選ぶかということは、自分の人生をどう選ぶかということです。「偏差値でなく、研究したいテーマで学部を選ぶ」「大学名ではなく、教授・研究室で選ぶ」ということが重要です。興味や関心のタネを広げて、大学院をゴールとして逆算し、進路を決めるということもヒントになると思います。


■Profile■
日本アドミッションオフィサー協会理事
青木 唯有 (ゆう)氏
東京理科大学経営学部卒。総合型・学校推薦型選抜の合格指導実績として、25年間で延べ3万人の合格者を輩出。内閣府および東京大学との「非認知スキル研究」において主席研究員を担当。