シニアのための食事講座 〜高齢者の「食べにくさ」対策〜
▶高齢者の「食べにくさ」対策について、LIFULL介護の小菅編集長が解説
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高齢になると固いものが食べづらくなったり、食べる量が減ったりすると言われています。久しぶりに親御さんと一緒に食事をして、「以前とは様子が違う」と心配するご家族もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、高齢者が感じる「食べにくさ」について解説します。
加齢とともにあらわれるさまざまな「食べにくさ」
食べる機能は「噛むこと(咀嚼)」と「飲み込むこと(嚥下)」に分けられます。食べ物を口に入れてから飲み込むまでには、「歯の状態」や「唾液の量」などさまざまな要素が連動しており、加齢と共に機能は低下します。
◾️咀嚼機能の低下
咀嚼とは、食べ物を細かく砕き、すり潰し、唾液と混ぜ合わせて飲み込める形にする過程を指します。そこに大きく影響するのが歯と舌の状態です。歯は、食べ物を噛み切る、噛み砕く、すり潰すという咀嚼の重要な役割を担っています。入れ歯が合わなかったり、部分的に歯が欠落していると、うまく食べ物を噛み砕くことができません。また、食べ物を柔らかくしたり小さくできたりしても、舌を使って口の中のものをまとめることができなければ咀嚼機能が低下していることになります。長い期間、噛まないでいると舌の筋力が低下し、唾液が減少してしまいます。
◾️嚥下機能の低下
嚥下障害のある方は、食べ物が誤って気道に入ることが多く、窒息リスクが高まります。また、唾液の量が少なくなると、食べ物をしっかりと噛むことができたとしても、スムーズに飲み込むことや消化することが難しくなります。上手に飲み込めない状態が続くと、栄養失調や脱水症状、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性もあります。
◾️味覚の変化
加齢によって味を感じにくくなることがあります。味の感じ方は体調や気温、空腹の程度によっても変化します。また、ミネラルなどの栄養不足や唾液の減少、薬の副作用が影響していることもあります。
「食べにくさ」の対策
ちょっとした工夫や日々の訓練で改善できる可能性もあります。各対策について解説します。
◾️噛む力が弱くなった場合
食材は、噛み切りやすく、口に入れやすい大きさに切りましょう。隠し包丁を入れて食べやすくするのもコツです。すべて細かく刻まずに、ある程度の大きさを保った方が、口の中でまとまり飲みこみやすくなります。また、油分の多いマヨネーズやドレッシング、バターなどを使うと、口の中でまとまりやすくなります。調理法としては、蒸す、煮るなど食材に水分を多く含ませると、より食べやすくなるでしょう。
◾️飲み込みにくくなった場合
片栗粉やくず粉でとろみをつける、粉ゼラチンなどでゼリー状にする、油脂やケチャップなどの調味料を活用するといいでしょう。そのほか、一口の食べ物を飲み込んだ後に複数回唾液を飲み込み、何回か嚥下を行うことで、咽頭に食べ物が残ることを防止するなど、食べ方の工夫もできます。
◾️味覚の変化
味がわかりにくくなり、味付けを濃くしてしまうと塩分のとり過ぎになります。だし汁のうま味や香ばしさ、食材の持つ香りを活用します。味の感知に欠かせないのが、ミネラル成分として重要な役割を持つ亜鉛です。亜鉛は赤身の肉やチーズ、大豆、ごまなど身近な食材に多く含まれます。さまざまな食材から積極的に取り入れましょう。
料理をするときのポイント
1.食べやすさを工夫(固さ、大きさ、噛み切りやすいなど)
2.唾液の減少を補う水分の多い食事(蒸す、煮るなど)
3.彩り、香り、形状、および盛り付けの工夫(食欲・食事量低下を防ぐ)
4.家族と同じ食事をアレンジする形で無理なくはじめる
5.手間をかけすぎず、続けやすい工夫を心がける
加齢によって噛む力が低下しても、すべて細かく刻まれた食事よりも必要に応じひと口サイズに切って食べやすく、あるいは見た目にわからない程度に包丁が施されていることでかえって噛みやすく、口の中でまとめやすくなることがあります。また、食欲が低下しがちな方のために見た目にも配慮し、彩り、形、盛り付けの工夫を、香りを立たせて嗅覚を刺激し「おいしそう!」と思ってもらう、五感を使って食べられる工夫が大切です。
あまり手間をかけすぎると、継続が難しくなります。簡単なアレンジのレパートリーがあると良いでしょう。
食べにくいものの調理アレンジ参考
◾️「ポロポロ」まとまりのないもの
例) ひき肉 → 煮込みハンバーグ、ミートローフ
◾️ 不均等な硬さのもの
例) 天ぷらやフライの衣 → 天つゆやソースを使う
◾️「ボソボソ」パサついたもの
例) パン → フレンチトースト
ご家族だけで対応しきれないときは
シニアレジデンスや老人ホームの中には、食生活のサポートをしてくれる施設が数多くあります。栄養士が栄養面を管理していたり、ご本人の状態にあった食形態で食事を提供しているところもあります。また、協力医療機関の歯科医による指導のもと、口腔ケアやリハビリに取り組んでいるところもあります。
楽しく食事を続けるためにも、ご家族だけで抱えこまず、プロの力を借りることも視野に入れるといいでしょう。
ライフル介護 0120-991-427(9時〜18時)
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