環境省主催の「福島、その先の環境へ。ツアー」が2月13日から15日にかけて開催され、学生や若手社会人約170人が、東京電力福島第一原子力発電所がある福島県双葉町や大熊町などを巡った。このツアーは、未来を担う若者が福島に足を運んでその魅力を体験するとともに、地震、津波、原発事故という未曽有の複合災害から復興へと歩みを進める福島の今を自らの目で確かめ、いまだ残る課題を自分自身の問題として考える機会を提供することを目的に開催された。ツアーは、「地域・まちづくり」、「福島の食」、「新産業・新技術」の三つのテーマごとに計6つのコースに分かれて実施した。各コースの行程は、昨年10月に開催されたツアー検討会議にて学生や若手社会人が事前に選定・企画した。全コースには共通テーマとして「環境再生」が設定され、福島県内の除染作業で発生した土壌等を一時保管する中間貯蔵施設や東日本大震災・原子力災害伝承館も訪れた。
中間貯蔵施設で知る現実 土壌と向き合う現場
双葉町と大熊町にまたがる中間貯蔵施設は、約16平方キロメートルの広さがあり、施設内はバスで移動する。除染土壌を保管する施設では、適切な構造で安全に保管を行っているという。上面は厚さ60センチの土で覆われており、放射線が遮へいされる構造となっている。担当職員から説明を受けた参加者全員が空間線量計で放射線量を測り、放射線量は低いことをその場で確かめた。
保管されている除去土壌等は、2045年3月までに福島県外で最終処分することが法律で定められている。だが、貯蔵量は東京ドーム約11杯分に相当する約1400万立方メートルにも上る。国は、放射能濃度が基準値以下の土壌を再生利用する方針を示しており、施設内でも道路の盛土に活用する実証事業が行われている。参加者は、盛土の上に整備された路面に立ち、放射線の影響を防ぎつつ強度を確保する施工方法を確認した。
震災前は住宅地や工業団地だった敷地内には、避難した日のままの姿で残された建物があちこちに。参加者は、書類が散乱した老人ホームの事務室をバスの窓からのぞくなど熱心に見ながら、当時の状況を思い描いている様子だった。施設内に自宅があったという担当職員は「この土地には住民の思いがたくさん残っています。ぜひ、この現状を多くの人に伝えてください」と語りかけていた。
保管されている除去土壌等は、2045年3月までに福島県外で最終処分することが法律で定められている。だが、貯蔵量は東京ドーム約11杯分に相当する約1400万立方メートルにも上る。国は、放射能濃度が基準値以下の土壌を再生利用する方針を示しており、施設内でも道路の盛土に活用する実証事業が行われている。参加者は、盛土の上に整備された路面に立ち、放射線の影響を防ぎつつ強度を確保する施工方法を確認した。
震災前は住宅地や工業団地だった敷地内には、避難した日のままの姿で残された建物があちこちに。参加者は、書類が散乱した老人ホームの事務室をバスの窓からのぞくなど熱心に見ながら、当時の状況を思い描いている様子だった。施設内に自宅があったという担当職員は「この土地には住民の思いがたくさん残っています。ぜひ、この現状を多くの人に伝えてください」と語りかけていた。
伝承館と震災遺構が問いかける 記憶と感情の行方
震災の記録や教訓を伝える東日本大震災・原子力災害伝承館では、住民の日常が一変した経緯や避難後の暮らしなどが写真や映像で紹介されており、展示をひとつずつ丁寧に見ていく参加者の長い列ができた。住民による語り部講話も行われたが、時間が足りずに聞けない人も。「衝撃的な展示ばかりで、自分の感情と向き合う時間がもう少しほしかった」と話す大学生もいた。
最新技術を導入したイチゴの栽培ハウスの見学や、若手起業家と地元産業の未来について語り合う機会が設けられる等、各コースのテーマに沿って参加者達は様々な体験をした。津波で壁や床がむき出しになったままの震災遺構・浪江町立請戸小学校では、津波が街を飲み込んでいく映像を見て、思わず座り込んでしまう学生の姿もあった。
最新技術を導入したイチゴの栽培ハウスの見学や、若手起業家と地元産業の未来について語り合う機会が設けられる等、各コースのテーマに沿って参加者達は様々な体験をした。津波で壁や床がむき出しになったままの震災遺構・浪江町立請戸小学校では、津波が街を飲み込んでいく映像を見て、思わず座り込んでしまう学生の姿もあった。
若者たちが描く未来の福島
ツアーの最終日には、参加者全員が福島市内のホールに集まり、「いま、私たちが福島について伝えたいこと」をテーマに、30グループに分かれて意見交換を行った。あるグループでは、「復興再生土が自分の家の隣で利用されても良いか嫌か」で議論に。「構わない」、「数値で安全性が示されても感情面の受け止めは別問題では」などの意見が出され、理解を広げるための方策について活発なやり取りが続いた。
最後に、代表して6グループが話し合いの結果を発表。「食の体験や、新しい産業が生まれていることを知ってワクワクした」との感想や、除去土壌について、「知らないことが不安につながる」として、「まずは福島に来てもらうことが大切だ」との意見が出された。
締めくくりに環境省福島再生・未来志向プロジェクト推進室の折口直也室長があいさつに立ち、「福島の環境再生には、多くの方の理解や共感が必要。今回、見て、感じたことを周囲と共有してほしい」と呼びかけた。
最後に、代表して6グループが話し合いの結果を発表。「食の体験や、新しい産業が生まれていることを知ってワクワクした」との感想や、除去土壌について、「知らないことが不安につながる」として、「まずは福島に来てもらうことが大切だ」との意見が出された。
締めくくりに環境省福島再生・未来志向プロジェクト推進室の折口直也室長があいさつに立ち、「福島の環境再生には、多くの方の理解や共感が必要。今回、見て、感じたことを周囲と共有してほしい」と呼びかけた。