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フレイルの日記念イベント2026 IN福山市 〜始めようフレイル予防!延ばそう健幸寿命!〜 開催レポート

加齢に伴って、心身の活力が低下した状態を指す「フレイル」。2月1日の「フ(2)レ(0)イ(1)ルの日」、広島県福山市でフレイル予防について学べるイベントを開催しました。医師や管理栄養士などが登壇し、運動や社会参加、栄養・口腔ケアの重要性などについて解説しました。

開催市挨拶

福山市長 枝広直幹

近年、行政においては、市民の健康を支える施策の重要性がますます高まっています。福山市は昨年5月、健康長寿社会の実現を目指す「スマートウエルネスコミュニティ協議会」に参画しました。これまで以上に、市民の皆さまの健康を支える取り組みに注力してまいります。

私自身は日頃から健康に気を配り、歩く機会を意識的に増やしているほか、1日90回のスクワットを続けています。運動は、自分の体の状態をきちんと理解したうえで行わなければ、効果が得られないだけでなく、体に負担をかけてしまうこともあります。ぜひ今日のイベントを通じて、ご自身の健康状態を見つめ直し、今後の健康づくりに役立てていただきたいと思います。

主催者挨拶

スマートウエルネスコミュニティ(SWC)協議会理事長 大内尉義

フレイルとは、加齢に伴い筋肉をはじめとする心身のさまざまな機能が低下し、放置すると要介護や寝たきりにつながるおそれがある状態のことです。フレイルの予防には医療面だけでなく、日常的な運動や栄養管理が大切なポイントです。すべての対策をすぐに実践するのは難しいかもしれませんが、ぜひ無理のない範囲で、できることから少しずつ取り組んでみてください。

本日参加した皆さんには、学んだ内容を家族や友人にご共有いただき、健康づくりの輪を広げていただければと思います。

福山市におけるフレイル予防活動について

福山市健康推進課

福山市では、市民の皆さまのフレイル対策として、「知る」「気づく」「活躍する」「行動する」の4つを柱に、さまざまな取り組みを進めています。

「知る」取り組みの一つが、フレイルについてのフレイル予防出前講座です。保健師や栄養士が講師となり、具体的な予防方法について、実践を交えながら分かりやすく紹介します。また、フレイルかどうかをSNSで手軽に確認できるチェックリストも提供しており、昨年度は、約6,600名の方にご利用いただきました。

「気づく」取り組みでは、2020年度からフレイルチェック会を実施。測定や質問への回答を通じて、フレイルの兆候に早期に気づいてもらうことを目的としています。昨年度は58回開催し、計765名に参加いただきました。会の運営は「活躍する」として、フレイルの知識を深めた市民ボランティアの方々である「フレイルサポーターの会」にご協力いただいています。

こうした取り組みを通じてフレイルへの理解を深めていただき、「行動する」取り組みとして、食生活改善教室や運動教室に参加いただいています。予防方法を実践いただくだけでなく、参加者同士の交流を創出する機会にもなっています。

福山市フレイルサポーターの会

福山市では、「出会いにわくわく みんなで楽しくフレイルチェック」を合言葉に、20代から80代まで、計68人のフレイルサポーターが活動しています。

主な活動が、フレイルチェック会の運営です。測定の合間には、積極的に参加者と会話をするように心がけています。同じ市民として肩肘張らずに会話を楽しむことで、参加者の皆さんに元気や前向きな気持ちを持っていただくことが、専門家ではないフレイルサポーターならではの役割だと考えています。サポーターが皆さんから元気をいただくことも多く、毎回参加者の皆さんとの出会いにわくわくしています。

このほか、サポーターの日頃の活動として、測定技術の向上を目的とした学習会や、運営方法について検討する連絡会などもあります。参加者の皆さんのフレイル予防はもちろん、活動を通じて、サポーター自身の健康の維持や向上にもつながっています。

認知症とフレイル

医療法人社団常仁会  理事長 安原耕一郎

認知症は、記憶や思考などの認知機能が、後天的な脳の障害によって低下し、日常生活に支障をきたす状態です。一方フレイルは、次の3つの要素が重なった、健康と要介護の間の状態を指します。運動能力などが低下した身体的フレイル、意欲が低下したり不安感が増えたりする精神・心理的フレイル、社会とのつながりが希薄になる社会的フレイルです。

九州大学が行った調査で、福岡県のある自治体における認知症の発症率が、近年大きく低下していることが分かりました。バランスの取れた食事や運動習慣が、予防につながることが明らかになりました。これらは、フレイル予防においても重要視されていることであり、フレイルの予防が、結果として認知症の予防にもつながると考えられます。

また運動習慣は、認知症発症後の生活の安全性を確保するうえでも有効であることが分かっています。1日2回の運動を取り入れている認知症のグループホームでは、そうした取り組みを行っていない施設と比べて、転倒率が低いことが報告されています。

運動習慣などのフレイル予防は、認知症の予防、さらには認知症を発症した後の生活を支える観点からも重要であるといえます。

フレイルにならないために

①オーラルフレイルについて 福山市歯科医師会 歯科医師 櫻田篤

歯や口の機能が低下した状態を、オーラルフレイルといいます。歯の本数を維持できていたとしても、口の中がよく乾く、または硬いものが食べにくい場合、発症が疑われます。

ただしオーラルフレイルは、改善も可能です。「パ、タ、カ、ラ」と何度も続けて発声する口の運動や、つばを意識的に飲み込むこと、早口言葉を言うことなどが効果的です。

②元気印の食生活 福山地域活動栄養士会 管理栄養士 樫野和子

食事量や食事回数の減少により、身体活動に必要なエネルギーが不足すると、低栄養状態に陥ります。これは、フレイルのリスクを高める要因です。

低栄養を予防するために、まずは1日3食バランスの良い食事をこころがけましょう。「さ・あ・に・ぎ・や・か・に・い・た・だ・く」を合言葉に多様な食品を取ることが重要です。

③フレイル予防の先にある、ウェルネスの実現 株式会社R-bodyコンディショニングコーチ 川田真琴

病気でなければ健康な状態と思う人が多く、腰の痛みなど日常生活のなかで感じるちょっとした不具合は見過ごされがちです。

そこでおすすめしたいのが、アスリートが取り入れている身体を整える方法、「コンディショニングトレーニング」です。当社が開設しているトレーニングジムでは、シニア世代の方から、不具合が解消したという声が多く寄せられています。

フレイル予防は社会貢献~90歳でも旅行をするために…~

筑波大学教授 久野譜也

世界保健機関(WHO)によると、死亡リスクを高める要因の第4位は運動不足といわれています※1。リスクを回避するためのポイントは、ウォーキングなどの有酸素運動に、筋力トレーニングを併せて行うことです。有酸素運動は脂肪の減少や動脈硬化の予防には効果的であるものの、筋肉量の維持・向上にはつながらないためです。

また社会的な孤立も、運動不足と同様に死亡リスクを高めることが分かっています※2。地域住民同士の結びつきが強い地域ほど、健康寿命が長いことも明らかになっており、こうした人々の関係性によって生まれる価値を「ソーシャルキャピタル」といいます。

健康長寿を実現するためには、運動と社会参加、そして食事を、バランスよく生活に取り入れることが重要です。同時に意識していただきたいのは、自分が幸せを感じられる生活を続けるために主体的に行動すること。幸福度が高い人ほど、フレイルになりにくいことが分かっているからです。90代まで生きることが当たり前になりつつある時代、まずは90代の自分の姿を思い描き、その実現に向けて早い段階から行動を起こしていきましょう。

※1Global health risks WHO2009
※2Holt-Lunstad J(2010) Social Relationship and Mortality Risk A meta-Analytic Review

資生堂化粧療法・化粧のちから

資生堂ジャパン株式会社西日本パーソナルビューティー部 ソーシャルエリアパートナー 永田桂子

身だしなみを整えることには、見た目の変化という「外に働きかける」作用と、気分が高まり前向きになるという「内側に働きかける」作用があります。当社ではこれを「化粧のちから」と位置づけ、化粧という日常的な行為を通じて健康寿命の延伸を目指す「資生堂化粧療法」を展開しています。

健康寿命を延ばすためには運動が欠かせませんが、化粧をする際にも、腕を上げたり指先を使ったりする動きが繰り返されます。実は、化粧は食事の動作に比べて2~3倍の筋力を使うことが分かっており、筋力維持にもよい影響があります。このほかにもフェイシャルケアによる唾液腺への刺激で口腔機能を維持したり、外出や人との交流を促進したりという効果も期待できます。

また近年では、化粧品を選ぶ行為や香り・感触といった感覚刺激が、脳の刺激になると考えられ認知症予防につながる可能性もあるといわれています。いつまでも輝く人生を送るために、ぜひ化粧のちからを活かしていただきたいと思います。

フレイル予防:行動変容を促すきっかけづくり

大塚製薬株式会社 デジタル事業室デジタル製品担当リーダー 相原一平

「FACEDUO」は、人とテクノロジーで社会課題に対する解決策を提案するVRトレーニングプログラムです。現在、社会生活場面を教材にVRで練習できる「ソーシャルスキルトレーニング(SST)支援プログラム」、ひきこもり者のご家族に社会参加を促す際に有効なコミュニケーションのポイントや対応方法を学ぶことを目的とした「ひきこもり家族支援プログラム」、良好な人間関係を築くスキルを育てる「感情認知トレーニングプログラム」、認知症の方のご家族が介護を行う際の具体的な対応を学ぶための「認知症ケア支援VR」があります。新コンテンツである「フレイル予防支援VR」は、フレイルの兆候をVRで疑似体験することで、早期の気づきを促し、健康維持と介護予防を支援することを目的としています。

フレイルを測ろうコーナー

講演の前後では、握力や骨密度のチェックを通じて、心身の状態をチェックする体験ブースが開かれました。フレイル予防に取り組む企業や団体などの10ブースに、延べ885名が参加。会場は盛況で、来場者の健康への関心の高さがうかがえました。

ププレひまわり「ひまわりで骨密度チェック」
大塚製薬「FACEDUOフレイル予防支援VR」
資生堂「唾液腺マッサージと舌体操+笑顔チェック」
タニタヘルスリンク「体組成測定コーナー」
明治安田生命保険「健康チェックコーナー」
カナミックネットワーク「いつまでも動けるカラダ診断」
福山市運動普及推進員連絡協議会「握力・柔軟性チェック」
福山市フレイルサポーターの会「フレイルチェック」
中国労働衛生協会「チャレンジ体力測定」
福山市食生活改善推進員協議会「ベジチェック」