国立がん研究センター東病院

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国立がん研究センター東病院 ロゴ 国立がん研究センター東病院低侵襲治療、治験など先端的医療を提供
多職種による患者サポート体制も充実

国のがん医療・研究の拠点として設立された国立がん研究センター東病院。「世界最高のがん医療の提供」「世界レベルの新しいがん医療の創出」をビジョンに、最新の医療を提供する。

土井 俊彦

院長
土井 俊彦

どい・としひこ/1989年岡山大学医学部卒業。2002 年より国立がんセンター東病院(当時)内視鏡部。先端医療開発センター長等を経て24年より現職。医学博士。



治験に参加できるチャンスが豊富

 当院は、難治性がんや希少がんの治療、最新医療の早期提供などを使命としています。国内初の病院設置型陽子線治療を1998年に開始し、25年間の治療実績は4000例を超えました。低侵襲治療に積極的に取り組み、手術全体の半数以上が内視鏡外科手術やロボット支援下手術です。現在は3台の手術支援ロボットが稼働しています。
 現在、世界では新薬の開発が加速化し、多数の治験が行われています。日本の患者さんにも、有望な新薬の治験に参加する機会を提供しなければなりません。先端医療科では、人にはじめて投与する第Ⅰ相臨床試験を年間数10本新規に実施。2023年は50本を超え、200人以上の患者さんが治験に参加しました。新しい治療法の開発は、当院が目指す「取りこぼしのない医療」への近道と考えています。
 がんゲノム医療の先進的な取り組みも当院の特徴です。がん遺伝子パネル検査を保険診療で実施し、産学連携による研究も行っています。広範な固形がん患者さんを対象にがんの遺伝変化を解析し、治療を開発するプロジェクト「スクラムジャパン」には、全国200を超える医療機関が参画。延べ数万件の解析を行い、そのデータは新薬・診断薬の承認につながっています。また、大学の基礎研究から薬・医療機器の開発までを一体化する「トランスレーション研究」にも用いられ、世界的な競争力を持つプラットフォームの形成に至っています。
 医療機器の開発も産学連携で推進し、新しい手術支援ロボット(アンサー)やAI医療機器の承認を実現。キヤノンと共同開発した「フォトンカウンティングCT」は、米国の大学病院でも導入され、医療機器の国際展開にも貢献しています。

フォトンカウンティングCT前で

フォトンカウンティングCT前で。左から、キヤノンメディカルシステムズ瀧口登志夫社長、土井院長、キヤノン御手洗冨士夫会長、大津敦名誉院長


多角的な患者支援 敷地内にはホテルも

 がん医療では多職種による患者サポートが欠かせません。当院は、ソーシャルワーカー、医師、看護師、薬剤師、理学療法士などが医療にとどまらず生活の心配事にも対応する「サポーティブケアセンター」、性別に関わらず妊孕性の相談や、がん治療に伴う外見の変化に対するアピアランスケア、遺伝カウンセリングなどを行う「LIFE支援センター」を設置し、緩和医療科や精神腫瘍科などとも連携して手厚い支援を提供しています。
 また、当院へのアクセス向上のためにオンラインがん相談も充実させ、遠隔での手術指導などの取り組みも進行中です。
 22年には病院敷地内に民間ホテルが開業しました。キッチンや家電など、患者さんやご家族が利用しやすい環境を整え、24年度からは治療や疾患に応じた宿泊パックを新設しました。
 患者さんのニーズに応えるために、治療、研究においても、QOL支援においても、よりよい医療をいち早く届けていくことが、私たちの重要な役割だと考えています。

データで見る東病院(2023年度)


放射線治療科

多様な選択肢の中から納得できる治療法を


全田 貞幹

全田 貞幹
放射線治療科長

2000年防衛医科大学校卒。放射線治療専門医。


 放射線治療科は、他の診療科とチームで診療にあたることが最大の特徴です。高水準のチーム医療を提供するために、当院の放射線科医は放射線治療の高度な知識に加え、臓器別の専門分野も有しています。例えば、私は頭頸部が専門なので頭頸部外科医と同じレベルで話ができ、それが質の高い放射線治療につながっています。
 診療で大切にしていることは患者さんとの対話です。がんの治療は手術、放射線、抗がん薬などがありますが、患者さんが十分に理解し、納得して治療を選べるようなコミュニケーションもチームで取り組んでいます。
 放射線治療の副作用対策は進化しました。がん放射線療法看護認定看護師との連携で予防が可能です。
 陽子線治療は保険適用が広がり、切除不能の早期肺がんも適用となりました。多様な選択肢からがん治療を選んでいただけます。

チームで患者さんを治療する

チームで患者さんを治療する

循環器科

がん治療を全うできるように心臓を守る


田尻 和子

田尻 和子
循環器科長

2003年筑波大学医学専門学群卒。循環器専門医。


 当院の循環器科は、がんと心臓病が重なった領域を扱う「腫瘍循環器科」です。高齢の患者さんは心臓病を持つ方が多く、また、新しいがん治療薬の中には副作用で心臓病が出現しやすいものがあります。腫瘍循環器科の役割は、心臓病があってもがん治療を全うできるようにすることと、がん治療により出現が予測される心臓病を予防することです。
 例えば、冠動脈疾患や弁膜症がある場合、カテーテル治療を先に行うことで、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などによる治療、長時間の手術に耐えられる身体にすることができます。
 がん治療の副作用で起こる心臓病は、心エコー検査などを適切な時期に行うことにより早期発見・早期治療が可能となります。
 多職種の腫瘍循環器科ワーキンググループが病棟を巡回し、スムーズな退院と社会復帰を支援しています。

多職種の腫瘍循環器WGメンバー

多職種の腫瘍循環器WGメンバー

泌尿器・後腹膜腫瘍科

低侵襲手術から拡大治療までよりよい治療を提供


中西 泰一

中西 泰一
泌尿器・後腹膜腫瘍科医長

2002年信州大学医学部卒。泌尿器科専門医。


 泌尿器・後腹膜腫瘍科は、腎臓や膀胱、前立腺などの尿路にできたがんと、おなかの後ろにある後腹膜というスペースのがん(後腹膜腫瘍)に対する外科治療を行う診療科です。
 尿路のがんは、ロボット支援下手術、腹腔鏡下手術といった低侵襲治療により臓器や機能の温存を図っています。骨盤内に発生した局所進行がんなどは、大腸外科とともに治療にあたります。腫瘍内科や放射線治療科とも連携し集学的に治療を行っています。当院は治療選択に難渋する患者さんを広くご紹介いただくため、定期的に行われる合同会議で前記診療科に加え病理・臨床検査科、放射線診断科とも協議し、よりよい治療につなげる体制を整えています。
 外科的治療を必要とするすべての患者さんへ幅広い選択肢から病状に応じたよりよい治療を提供できるように日々研鑽を積んでいます。

根治性とQOLの両立を目指して

根治性とQOLの両立を目指して

先端医療科

進化する薬物療法。治験は“明日への医療”


原野 謙一

原野 謙一
先端医療科、腫瘍内科

2004年京都府立医科大学卒。がん薬物療法専門医。


 先端医療科は治験や臨床研究を行う診療科で、特に第Ⅰ相臨床試験に力を入れています。治験はよりよい治療法を開発するために不可欠な、いわば“明日への医療”です。最近は、標準治療の選択肢がなくなった場合の貴重な診療機会として、一般の方にも治験への理解が広がっています。当院は治験の検索ホームページを作成し、情報提供にも努めています。
 私の専門は婦人科がん、乳がんの薬物療法です。この領域は新しいタイプの有効な治療薬が登場し、特に抗体薬物複合体製剤は今後の治療を大きく変える可能性があります。
 副作用対策では、患者さんに日誌をつけていただいて個別の支持療法に活かしています。現在、日誌のアプリ開発も進めています。治療の有効性とQOLを並行して考え、どんなときも患者さんと同じ方向を向いて診療することがモットーです。

新しい治療を開発して患者に届ける

新しい治療を開発して患者に届ける

HOSPITAL DATA

国立がん研究センター東病院

国立がん研究センター東病院
〒277-8577 千葉県柏市柏の葉6-5-1
TEL.04-7133-1111(代)
https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/
国立がん研究センター東病院

■診療科目/頭頸部外科、頭頸部内科、形成外科、乳腺外科、腫瘍内科、呼吸器外科、呼吸器内科、食道外科、胃外科、大腸外科、消化管内科、消化管内視鏡科、肝胆膵外科、肝胆膵内科、泌尿器・後腹膜腫瘍科、婦人科、骨軟部腫瘍科、リハビリテーション科、血液腫瘍科、小児腫瘍科、歯科、総合内科、循環器科、麻酔科(橋本学)、集中治療科、緩和医療科、精神腫瘍科、放射線診断科、放射線治療科、病理・臨床検査科、先端医療科、感染症科、皮膚腫瘍科、脳神経外科、眼科