救急・脳卒中治療に強い病院
医療法人社団 昌医会
葛西昌医会病院開院35年、脳と心臓と消化器の高度医療を地域で完結江戸川区葛西で35年にわたり地域医療を支えてきた葛西昌医会病院は、一次脳卒中センター(PSC)として急性期脳卒中医療を担いながら、脳神経外科をはじめ、循環器内科、心臓血管外科、消化器内科・消化器外科の各分野に注力し、救急から手術、リハビリまでを院内で完結できる医療体制を築いてきた。多職種が連携するチーム医療を積み重ねることで、地域からの厚い信頼を獲得している。

理事長・院長
吉田 生馬
1996年埼玉医科大学卒業。埼玉医科大学病院精神科、川崎市立川崎病院総合診療内科、昭和大学藤が丘病院(現・昭和医科大学藤が丘病院)消化器内科などで経験を積む。2004年に葛西昌医会病院消化器内科医長、2006年より理事長、2021年から院長を兼任。専門は消化器内科。
葛西昌医会病院は1990年、循環器内科と脳神経外科の専門病院「葛西循環器脳神経外科病院」として開設された。先代・吉田康成氏が掲げたのは、地域に根ざしながらも専門性の高い医療を提供する病院像だ。その後、整形外科やリハビリテーション科、消化器内科・外科など、地域ニーズの高い診療科を段階的に増設。2011年に現在の名称へと改め、2021年には循環器内科と密接に関わる心臓血管外科を新設した。
また、同院は一次脳卒中センター(PSC)に指定されており、脳卒中患者に対して迅速かつ標準化された急性期治療を24時間365日体制で提供できる点も大きな強みだ。大学付属病院がなく、救急の受け皿が分散しがちな江戸川区において、緊急処置が完結できるよう、地域救急を支え続けている。
「脳神経外科と心臓疾患のほぼすべてを治療できるのが、当院の一番の強みです」そう語るのは、吉田生馬理事長・院長だ。(以下同)脳と心臓は互いに深く関係しており、心臓血管内に生じた血栓が脳の血管へ飛び、脳梗塞を引き起こすケースも少なくない。こうした病態に対し、院内で迅速に対応できる体制を整えている点は、同院の大きな特徴だ。
「山椒は小粒でピリリと辛いと言います。当院は、総合病院とは異なるあり方として、脳、心臓、消化器に特化し、その特性をきちんと提供することが地域の信頼につながると考えています。鋼(つよ)く、しなやかに。折れない強さと柔軟さを併せ持ち、心のこもった先進医療を届けたい。自分が患者だったら、この病院に入院したいかを常に考え、診療体制や組織づくりを考えています」
設備面でも他院にない充実ぶりをみせる。MRIを2台、カテーテル室を2室備え、心臓・脳いずれの緊急対応にも柔軟に対応できる。心臓血管外科の開設にあわせてHCU(高度治療室)も整備。大きな手術後も専門的な看護体制のもとで安心して患者の経過を見守れる環境が整った。救急搬送から入院、手術、リハビリ、回復期までを一つのチームで担い、「預かった患者さんは院内で解決する」という姿勢を貫いている。
重視するのは施設面だけではない。「大事なのは、医師同士が相談しやすい職場環境です」脳神経外科の患者に糖尿病や心臓、消化器、内科等の合併症があれば各科に速やかに相談し連携できる環境を整えている。診療科横断が積極的に行われる背景には、院長自身が挨拶を重視し、医師と頻繁に言葉を交わすなど、現場との距離を縮めてきた積み重ねがある。「トップダウンで指示を出すのではなく各科の専門性を尊重しながら、協調性を持って患者のために力を尽くしてほしい」
同院は対外的にも「共存共栄」を基本に据える。常勤医が地域の開業医を直接訪ねるフェイス・トゥ・フェイスの関係は、先方に「昌医会にお願いすればこの先生が診てくれる」と安心感を与え、患者を円滑に紹介し合う信頼関係につながっている。
今後は、地域医療を支える専門病院としての機能をさらに高めていく方針だ。脳神経外科、循環器内科、心臓血管外科、消化器内科・消化器外科に専門性を集中させ、規模の拡大を競うのではなく、一例一例の治療成績を積み重ねることで、大学病院に比類する水準の専門病院を目指す。

脳神経外科部長
矢富 謙治
フローダイバータ、W-EBをはじめ、頚動脈ステント、血栓回収、バイパス手術まで幅広い高難度治療を担う。

脳神経外科
菅 康郎
脳血管内手術、頚動脈ステント留置術や血栓回収療法などの専門治療を中心に脳神経外科診療を行う。

脳神経外科
黒井 康博
脳血管内手術に加え、脊髄外科診療(手足のしびれ・痛み、腰痛)や頭痛診療など、外来から手術まで幅広く担当する。
初代理事長が脳神経外科医であったことから、同院は開院当初より脳外科診療を中核に歩んできた。その歴史と評価を現在に受け継ぎ、同院の脳神経外科を牽引しているのが矢富謙治部長だ。同院の脳神経外科では、脳血管障害や脳腫瘍、脊椎・脊髄疾患など幅広い疾患に対応し、とくに脳動脈瘤や脳梗塞といった脳血管障害では、身体への負担が少ないカテーテル治療を中心に据えている。
当院はMRIを2台備え、救急搬送後も速やかに画像診断を行える体制を整えている。画像は、脳神経外科医全員がスマートフォンで即時に確認できるシステムを導入しており、脳出血、脳梗塞、くも膜下出血といった脳卒中の診断から治療方針決定までを迅速化している。「できるだけ患者さんを待たせず、早く診断し、早く治療につなげることが何より重要です」と矢富部長は強調する。
菅康郎医師は「脳卒中では時間依存性が極めて高い。救急隊からの事前情報や、搬送時に家族から得られる情報を活用し、来院後の評価時間をいかに短縮できるかが鍵となる」と話す。医師同士が互いの得意・不得意を把握し、信頼し合ったうえで役割を分担していることも、迅速な意思決定を可能にしている要因だ。限られた人員の中でも、医師、看護師、放射線技師ら多職種が一体となり、チームワークが現場を支えている。
治療後はリハビリテーションスタッフが早期から関わり、後遺症の軽減と機能回復を目指して支援する。急性期治療後に同院の回復期病棟へとつなぐことで、回復過程のデータを継続的に把握できる点も強みだ。リハビリテーション科の医師が脳神経外科OBであるため、部門間のやり取りもスムーズで、トラブル時の対応も迅速。担当医が急性期から回復期まで関わり、在宅復帰まで見守る体制を整えている。「今後はSCU(脳卒中ケアユニット)の立ち上げも視野に入れ、急性期対応力のさらなる強化を図りたい」と矢富部長は展望を語る。
地域医療の最前線に立つ同院の診療は、日常の受療圏の姿そのものと重なっている。入院・外来患者の多くは、東・中・西・南・北葛西を中心とした江戸川区内から来院し、船堀など区北部からも足を運ぶ。人口の多い地域特性もあり、高齢の患者が占める割合は高い。「顔の見える距離で診療している実感があります。外来でも入院でも、地域の方の生活の延長線上に医療がある」と菅康郎医師は語る。

くも膜下出血では開頭手術ではなくコイリングを原則とし、血管内治療で患者の負担軽減と早期回復を重視している
脳卒中については、手足の麻痺やろれつが回らないといった典型的な症状があれば、迷わず早期受診を呼びかける。一方で注意が必要なのは、麻痺を伴わない非典型的な症状だ。「話のつじつまが合わない」「今まで普通にできていたことが急にできなくなった」といった変化は、認知症と誤解されがちだが、脳卒中が隠れていることもある。日常をよく知る家族こそが異変に気づける存在であり、少しでも違和感があれば早めに医療につなげてほしいという。
また同院では、頭痛に悩む患者にも積極的に対応している。江戸川区内で頭痛専門医がいる医療機関は限られており、精密検査を求めて来院する患者も少なくない。「検査で異常がなくても、つらい頭痛で生活に支障をきたしている方は多い。そうした“頭痛難民”を受け止めるのも役割です」と黒井康博医師は話す。近年は抗CGRP抗体製剤といった新しい治療も導入し、症状改善によって社会復帰につながった例もある。
専門性と即応力で患者の命と生活を守る覚悟で地域の医療を支えてきた同院。まさに「昌医会、ここにあり」と言える存在だ。


同院のリハビリテーション科は、急性期治療後の回復を支えるだけでなく、在宅復帰、その先の生活までを見据えた支援を大切にしている。理学療法では、寝返りや起き上がり、歩行といった基本動作の回復を図り、作業療法では食事や排泄、買い物、家事など、日常生活を主体的に営む力を取り戻す。言語聴覚療法では、言葉や聴こえのリハビリに加え、嚥下障害の予防にも対応。退院後は訪問リハビリテーションを通じて、自宅での安全・安心な生活を支える。現在、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の各専門職が在籍し、「治療の先にある生活」まで寄り添い続けている。
医療法人社団 昌医会
葛西昌医会病院
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