甲状腺治療・手術に実績のある病院・クリニック

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喉ぼとけの下に位置する甲状腺は、そこから分泌される甲状腺ホルモンが全身の機能を調整する大切な役割を持つ。甲状腺疾患には甲状腺ホルモンの過多・過少で起きるものと、腫瘍ができる疾患があり、症状によって、投薬、放射線治療、手術などが選択される。治療法は進歩を遂げ、最近、新薬も開発され注目されている。それぞれの症状、治療法について、元日本甲状腺学会理事長で現在は隈病院院長の赤水尚史医師に聞いた。

赤水 尚史

[取材協力]

元日本甲状腺学会 理事長
隈病院 院長

赤水 尚史

あかみず・たかし/1980年京都大学医学部卒業。医学博士。米国NIH客員研究員、京都大学医学部附属病院教授、和歌山県立医科大学教授などを経て、2020年から隈病院に勤務。2022年より現職。



バセドウ病、橋本病はホルモンの過不足が原因

 甲状腺の病気には、「甲状腺ホルモンの過不足で起きる病気」と、「甲状腺に腫瘍ができる病気」があります。
 甲状腺ホルモンの過不足で起きる病気のうち、ホルモンの分泌が多すぎて起きる代表がバセドウ病です。動悸や多汗、手の震え、イライラなどの症状がでます。
 治療は投薬治療が基本で、定期検診をして薬量を調整します。コントロールできなかった場合、医療用放射線ヨウ素が入ったカプセルを飲むアイソトープ治療が行われ、甲状腺切除手術が選択される場合があります。
 症例によっては眼が突出する症状が出ること(甲状腺眼症)がありますが、近年、抗体薬が開発され、患者さんの生活の質が劇的に改善されています。
 甲状腺の働きが低下して起きる病気の代表が橋本病です。疲れやすい、手足がむくむ、声がかれるなどの症状が出ます。更年期障害、加齢と似た症状のため気がつかないことがあるので注意が必要です。
 こちらも治療は服薬が基本で、定期的に検診しながら薬量を調整します。


甲状腺腫瘍の治療は手術、アイソトープなど

 「甲状腺に腫瘍ができる病気」が甲状腺腫瘍です。甲状腺の一部が増殖し、しこりが感じられるようになります。声がれ、首の圧迫感や息苦しさを感じることもあります。検査して良性か悪性かを判断します。甲状腺腫瘍の約9割は良性で、定期的に経過観察を行います。悪性腫瘍でも命にかかわることは多くありませんが稀に未分化がんのような悪性度が高いがんがあるので注意が必要でしょう。
 悪性腫瘍には乳頭がん、濾胞がん、髄様がんなどがあります。そのうちの9割が乳頭がんで、大きながんは切除手術をしますが、直径1㎝以下の微小がんの場合は、手術せずに経過観察します。これは積極的経過観察と呼ばれ、日本での臨床経験が基になって提唱されました。その後、アイソトープ治療が行われることがあります。
 10年ほど前からがん細胞を標的とする分子標的薬が甲状腺がんにも適用されています。従来は治療困難だった症例にも効果が期待できるようになっています。
 気になる症状があれば専門医を受診して、適切な治療をすることをお勧めします。

甲状腺の病気 チェックリスト①

甲状腺の病気 チェックリスト②

甲状腺の病気 チェックリスト③



医療法人 神甲会 隈病院

医療法人延寿堂 高橋医院

菱沼クリニック

須川クリニック



発見の機会が逃されがちな甲状腺疾患
不妊治療との関連性も

患者自身が特定の症状から甲状腺疾患だと判断することは難しい。そして患者の男女比は1対3〜5人と女性に多い疾患とされる。さらに、甲状腺ホルモンと妊娠には関連がある。妊娠や不妊治療を考える女性の治療法について、元日本内分泌外科学会理事で伊藤病院院長の伊藤公一医師に聞いた。

伊藤 公一

[取材協力]

元日本内分泌外科学会 理事
伊藤病院 院長

伊藤 公一

いとう・こういち/北里大学医学部卒業。東京女子医科大学、東京大学医科学研究所、シカゴ大学内分泌外科などを経て、1998年より現職。元日本医科大学客員教授、東京医科大学客員教授。



 バセドウ病、橋本病、甲状腺腫瘍など甲状腺疾患の患者数は国内で500万人以上と言われ、糖尿病の治療患者数に匹敵します。ただ、これこそが甲状腺疾患だという特徴的な症状が少ないため、発見の機会が逃されがちな病気だと言えます。
 また、予防できるという疾患でもありませんので、激しい発汗、寒がりになる、声がかすれる、また、人から首の腫れを指摘されるなどがあれば、甲状腺の専門医を受診することをおすすめします。
 甲状腺の検査は問診と触診に加え、ホルモン濃度・抗体を測定する血液検査、画像診断する超音波検査が必須で、甲状腺腫瘍が疑われる場合は穿刺(せんし)による細胞診が行われます。近年は検査機器が進歩し、短時間で正確な診断ができるようになっています。
 そして、甲状腺ホルモンは妊娠の成立や胎児の発育にも深く関連しています。甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症では、不妊症との関係や流産率の上昇が報告されています。妊娠中はホルモンの需要も変動しますので、妊娠前から治療によって甲状腺機能を良好に管理しておくことが大切です。なお、日常生活には差し支えない程度のごくわずかな潜在性甲状腺機能低下症でも、状態や条件によっては甲状腺ホルモンを補充することで妊娠率や流産率が改善したとの報告があります。
 さらに、人工授精や体外受精を行って妊娠を考えている女性は、甲状腺の状態を確認し、必要に応じて甲状腺機能異常の管理を行うことが提案されています。甲状腺と不妊に関する諸外国の研究や当院での集計結果をもとに、当院ではより安心で安全な妊娠・出産へ向け、甲状腺機能異常を見逃さないよう注意深く治療を行っています。



社会医療法人耕和会 迫田病院

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