


線虫の能力に注目
広津代表
日本相撲協会財団法人化100周年、心よりお祝い申し上げます。伝統を受け継ぐ立場として、日々大変なご尽力されていることと拝察いたします。
八角理事長
ありがとうございます。2人の横綱が誕生し、ようやく東西に揃いました。おかげさまで本場所は満員御礼が続いています。ファンの皆様に支えられ、100周年を迎えられたことを何より喜ばしく思っています。広津代表には協会員の健康維持のために、オフィシャルパートナーとして支えていただいています。改めて感謝いたします。
私が伺ってみたかったのはなぜ線虫とがん検査が結びついたのかという点です。
広津代表
大学の教員時代に、どうすればがんの検査を受けてくれる人が増えるだろうかと考えていました。がん検査は手間がかかるものが多いですし値段が高いものもあります。簡便で安い検査になれば大きく変わるというイメージを持っていました。
そんななか、がんには特異な匂いがあるというのを耳にしました。それを生物の嗅覚を使って判別すれば、すごい精度のものが作れるのではないかと思ったのです。しかし、麻薬探知犬のように犬を使うと飼育費などでコストが高くなってしまう。そこで線虫という選択肢に目を付けました。
線虫は1ミリほどのごく小さな虫で、その中に1200個もの匂いを感知する受容体があります。飼育コストが安価で、この線虫の特性をがん検査に応用すれば低コストの検査が実現するのではないかと思いました。
調べてみたら尿でも検査ができるとわかったので実用化に至りました。※
発明から5年は鍛錬の時期
広津代表
この技術を発明したのは10年前の話です。実用化するために大学の教員を辞めて、自ら会社を作りました。
八角理事長
大変な決断でしたね。
広津代表
誰かの技術を自分がやったわけではなくて、私自身が開発したので、上手くいくという確信はありました。発明から1年後に会社を立ち上げ大学を辞めました。そこから技術の証明のために約4年ずっと研究だけをしている時期がありました。資金を集めて、病院などと組んでいろんな検体をいただき検証を続ける日々です。実用化できたのは発明から5年後くらいです。
八角理事長
私も15歳で入門して十両に上がったのが19歳、4年かかりました。そのころは「とにかくやるんだ」という気持ちだけで、その先のことはあまり考えていませんでした。思い返すと力士になった最初のインタビューに「何年かけても関取になりたい」と答えているんですね。ということは、何年も努力しないといけないという覚悟はあったということです。まさに鍛錬の時期で、この時期がなければいまはないわけです。先を見据えて自分の体を鍛える、広津代表の場合は自分の技術を鍛えるという意味では、似ているところはあると感じますね。
広津代表
研究も跳ね返されることが多いですからね。理事長自身も跳ね返されたことは何度もあったんじゃないですか?
八角理事長
本場所で負け越したとしても自分はやるんだと。稽古は続けていくんだと、その中で芽が出てくるんだと。私自身は自信と言うよりも、やらなきゃ強くならないという思いがありました。やればいつか花が開くんだ、いや開かせるぞという強い気持ちでしょうね。
広津代表
私は自分で発明していたので、実用化の見通しはありました。ただ必ず上手くいくとは限らないので、そのときに信念のようなものを持っていないと続かないですよね。研究は試行錯誤の連続なので、思ったより上手くいかないというのはいくつもあります。いちいちへこたれていたら上手くいきません。「とにかくやるんだ」と、そこは理事長の想いと通じるところがあると思います。
発明から10年理事長も就任10年
広津代表
発明から10年を迎えました。八角理事長も就任から丸10年だと思います。この10年振り返ると苦しい時期もあったのではないですか?
八角理事長
やはりコロナ禍が一番大変でした。場所の中止、無観客開催、行動制限、PCR検査の徹底と、本当に大変でした。それでも先輩たちが残してくれた大相撲という伝統があったからこそ、苦しい時期を乗り越えられたと思っています。後輩たちに残すべきもの、伝統をしっかりと残していくということが、何よりも大事だと思っています。
広津代表
厳しい時期に支えになったのは、伝統をつないでいくという想いだったのですね。
八角理事長
自分は主役じゃないんです。これから後輩たちが主役になっていくために、苦労させないために、いま自分たちができることを人生を賭けてやっています。もし、これまでに自分たちだけ良ければいいという思いがあったとしたら、相撲協会は100年もの間続いてこなかったと思います。
広津代表
科学も一緒かもしれませんね。やはり売ろうという気持ちが先に出てしまうといいものはできません。世の中の人たちを救おうというような思想が最初になければ、続かなくなると思います。発明から10年で念願の自宅で手軽に検体を採取し、ポストに投函する常温輸送が実現しました。
八角理事長
人を助けるという気持ち、志が高くないといけないと思いますね。検体をポスト投函で送ることができるのはとても便利ですね。ポストは全国どこにでもありますから。
広津代表
一人でも多くの人たちの健康を守りたいという原点を大切にしていないと間違えてしまう。なぜ作ろうと思ったのか、世の中をどうしようと思ったのかという原点を持ち続けるということです。
八角理事長
志を高く持ってがんで亡くなる人をなくすという気持ちで頑張ってほしいです。
広津代表
そう言っていただいてうれしいです。世の中の人たちに長生きしてほしいという想いで作った会社ですので、改めてその原点を見つめ直して、これからも進んでいきたいと思います。
※採尿時のがんのリスクを評価するものであり、がんの診断を行う検査ではありません。医療機器ではありません。検査結果をご確認いただいた後、ご自身の健康状態について不安な点がある場合は、医師にご相談ください。

