familiar&ミャクミャクコラボ
技と心のデニムバッグ

万博公式グッズ

 読売新聞大阪本社が2025年大阪・関西万博会場内で発売する公式キャラクター「ミャクミャク」と、ベビー・子ども関連ブランド「familiar(ファミリア)」(本社:神戸市)とのコラボレーション商品で、一際目を引くのが万博オリジナルのデニムバッグだ。丈夫な生地やストーリー性のあるデザインで愛されてきたファミリアのデニムバッグのこだわりを探った。

 今回の公式ライセンス商品であるデニムバッグには、大屋根リングを背景にミャクミャクとファミちゃん、リアちゃん、バーディーちゃんが仲良く手をつなぐ様子がアップリケで施されている。ファミリアのデニムバッグは1957年に誕生。元々は、ピアノを習う女学生がバイエル(ピアノ教本)を入れるために製作されたこともあり、レッスンバッグとも呼ばれる。神戸や阪神間などでは女子高生の補助カバンとして定番だ。子どもの時に使っていたバッグを使い続ける大人もいるほど、丈夫で人気のバッグはどのように作られるのか。生地やアップリケの製造現場を訪ねた。

■ファミリア独自の平デニム

 バッグに使われる「平デニム」はファミリアオリジナルの生地。「通学のため、丈夫なものを」という母親の目線で開発された播州織生地だ。
 播州織は兵庫県西脇市の特産品として230年以上の伝統を持つ。平デニムは先に糸を染め、染め上がった糸で生地を織る先染め織物だ。色を自由に組み合せることで、多彩な柄の生地ができあがる。縦糸と横糸が交互に織り込まれる平織りのため軽量で強度も保たれる。 

 平デニムの製造を手掛ける市内の工場。濃紺色に染められた糸と淡いブルーに染められた糸を使い、専用の織機で織り込んでいくとファミリア定番のネイビー色の平デニム生地が完成する。色ムラや筋が出ないよう、織機を長年の勘で調整しながらの作業であるため、一日の生産量は100メートルほど。手作業の部分も多く、完全な自動化はできない。丁寧で地道な作業が柔らかくて丈夫なバッグの生地を生み出す。約25年間、平デニム生地の生産に携わる男性は「バッグを使う子どもたちの笑顔を見るとうれしい。万博会場では海外の方にも手に取ってもらい、播州織の良さを味わってもらいたい」と期待を込めていた。

■立体感のあるカットジャカード

 バッグ内側には、通常はチェック柄の生地が使われるが、今回の商品には、ミャクミャクとファミちゃんが織り込まれた播州織のカットジャカード生地があしらわれている。一見、キャラクターをプリントしたようにも見えるが、あらかじめ染めた糸を使って生地に織り込まれている。カットジャカードもファミリア商品の定番生地で、車や花、動物が織り込まれた子ども服がロングセラーだ。刺繍でもない、プリントでもない独特の立体感が持ち味で、平デニム同様、西脇市内の工場で織られている。

 模様をジャカード織機で織り込み、柄がない部分に渡る長い糸を切り取ることからカットジャカードと呼ばれる。デザイン案からパソコンで精細なシミュレーションを作成。写真やイラストデータをもとに、色とりどりの糸を組み合わせて複雑な図柄も再現できるが、その生産工程は複雑で熟練した技術が必要となる。
 工場の経営者は「ミャクミャクは独特の形状をしている。目の細かな位置まで織り糸で再現するにはハードルが高かったが、何度も調整して実現できた」。これまでの経験で鍛えられた技術は確かだ。

■アップリケ、生き生きと

 デニムバッグに表情を与えるのがフェルト刺繍(アップリケ)だ。男の子や女の子、クマや犬などのモチーフが、ストーリー性を持ってアップリケで描かれる。ファミリア商品の刺繍を手掛けてきた工場が奈良県内にある。
 ファミリアのデザイナーが書き起こした図案データをもとに、工場で金型を作成する。細かい輪郭まで表現するため金型を曲げるのは手作業だ。金型でフェルトを切り抜き、キャラクターの形にする。目などの細かな部分は刺繍で描かれる。CADで作成したデザインデータを刺繍機(ミシン)に入力すると、フェルトが生地に縫い込まれる。機械刺繍とはいえ、微妙な調整は欠かせず手作業の工程は多い。
 工場担当者は「曲線の多いミャクミャクの金型づくりが難しかった。白い道を描いたテープを真っ直ぐ縫い付ける作業も経験が必要」と振り返る。かわいい顔になるように、また目線が合うように、ファミリアのアップリケは小さくても目の大きさや向きにこだわる。少しの違いで表情が変わるからだ。「刺繍に機能があるわけではないが、付けることで持つ楽しさが生まれ、バッグに命を吹き込んでいる」と力を込める。

■ミシンで縫い上げ完成

 フェルトや刺繍が縫い込まれた平デニムとカットジャカード生地はバッグの製造工場に運ばれる。
 裁断された生地と合皮をミシンで丁寧に縫い合わせていく。裏地のモチーフ柄を合わせるため、ここでも機械任せにはできない。ステッチが真っすぐ均一になるように要所でアイロンがけも欠かせないなど手作業の工程ばかりだ。
 裏地の中で、持ち手からバッグの底まで「綾テープ」を縫い込むことでさらに強度が保たれる。持ち手も合皮で補強され、先染め織物の生地は風合いも長持ちするので、長年にわたり使うことができるというわけだ。

 「母親が子どもに作ってあげるように心を込めて」。生地にもアップリケにも隅々まで目を行き届かせて丁寧に作り上げる姿勢は創業時から変わらない。

EXPO2025 【ファミリア】 バッグ 29,700円(税込)



■販売場所:2025大阪・関西万博 会場内 オフィシャルストア 西ゲート店 JR西日本グループ

■発売日 :2025年4月13日(日) 

※販売方法の詳細については、会場内オフィシャルストア運営元へ確認を



読売新聞は、日本の伝統文化を守り、次世代に伝えるため、伝統的な技術やデザイン、美術品等を用いた2025大阪・関西万博公式ライセンス商品を制作、販売しています。