世界の課題 考える場に
オランダ館プロジェクトディレクター アイノ・ヤンセンさん
読売新聞大阪本社版朝刊
2025年大阪・関西万博に出展するオランダのパビリオンのテーマは「コモングラウンド(共創の礎)」。脱炭素に向けた新しいエネルギーの開発や資源の再利用など、一国では解決できない世界的な課題を話し合う場所という意味が込められている。
プロジェクトディレクターのアイノ・ヤンセン氏は「世界の国々が集まる万博はまさに『コモングラウンド』であり、貴重な機会になる」と強調する。
パビリオンは水の流れを表す波模様の装飾で覆われ、中央には太陽を模した巨大な球体「次世代への太陽」を据える。来場者は手のひらサイズの球体デバイスを持って、ライフサイエンスやデジタル化、農業といった分野の展示を見て回る。球体デバイスを展示物にかざすと、互いに光って文字などが読めるようになるという。
「次世代への太陽」の中では、映像ショーも体験できる。内部はプラネタリウムのような構造になっており、来場者は座って鑑賞する。ヤンセン氏は「ショーの中身は秘密にしたい。ぜひ実際に来て体験してほしい」とアピールする。
パビリオンでは、ビジネス交流や文化イベントも毎日のように開催される。ヤンセン氏のおすすめの一つは、5月21日に予定されている同国で有名なダンスプロダクション「イントロダンス」によるパフォーマンスだ。踊りで多様性や共生社会を表現するという。
オランダが万博参加を決めたのは、日本との関係強化も理由の一つだ。両国の交流は1600年にオランダの商船が日本に漂着したことから始まり、今では多くの日本やオランダの企業が互いの国に進出している。ヤンセン氏は「経済の面でも安全保障の面でも、日本との協力強化は重要だ」と説明する。
ヤンセン氏はこれまで、外交官としてコスタリカやドイツで勤務してきた。万博の準備のため来日したのは昨年8月で、開幕を楽しみにしているという。「エネルギーやパンデミックなど国際的な課題に世界でどう取り組むのか、前向きに考えられることが万博の魅力だ」と語った。
(石見江莉加)