「未病」で健康 広めるきっかけに
東和薬品社長 吉田逸郎さん
読売新聞大阪本社版朝刊
4月に開幕が迫った大阪・関西万博で、ジェネリック医薬品を手がける東和薬品は、慶応大の宮田裕章教授がプロデュースするパビリオン「Better Co―Being」に協賛する。パビリオンに込められた「一人ひとりのウェルビーイング(心身が健康で幸福な状態)と持続可能性の間で調和を取りながら、ともに生きる」という思いに共感し、参画を決めたという。
吉田逸郎社長は「当社は『こころの笑顔を大切にする』という理念を掲げている。全ての人の心が笑顔になる社会は究極の目標で、言うなれば『Best Co―Being』だ。健康を通じて人々を笑顔にしたい」と強調する。
吉田氏自身、1970年の大阪万博に足を運び、そこで披露された最新の技術に胸を躍らせた経験も、参画の判断を後押ししたという。
東和薬品は2021年に創業70年を迎えたのを機に、これまで手がけてきたジェネリック医薬品に加え、新規事業にも取り組み始めた。その柱となるのが健康食品事業だ。病気を治す医薬品は中核事業として続けるが、健康に貢献する製品にも注力し、海外展開も視野に入れている。
吉田氏は「病気と健康の間に『未病』がある。病気を防げば、医療費を含めて社会保障費の増大も解決できる。病気にならずに健康を目指すという会社の考え方を知ってもらうのに、万博はいいきっかけになる」と話す。
取り組みの目玉は、全国の高校生を対象に開催する「未来と健康のための高校生ビジネスコンテスト」だ。日本が抱える課題の解決につながるビジネスを考えてもらう。4月7日まで募集中で、企画力や実現可能性、熱意といった項目で審査し、ファイナリストは会場内の「EXPOホール」で開かれる発表会に臨む。
万博には海外の若者も多く訪れる見込みだ。日本と同様、それぞれの地域社会に課題がある。吉田氏は「次の時代の主役である高校生に、社会が抱える問題を自分事としてとらえ、何ができるかを考えてもらいたい。そして発表を聞いた人たちが共鳴し、自分も何か考えなければと思ってもらえたら、この企画は成功だと思う」と力を込める。
(松本裕平)