知的財産の大切さ 伝える
日本弁理士会 2025大阪・関西万博対応委員会委員長 京村順二さん

読売新聞大阪本社版朝刊

京村順二氏

 日本弁理士会は、学生らを対象に、大阪・関西万博の会場内に先端技術が体験できる場を設け、その体験をもとに新たな技術やビジネスのアイデアを考えてもらうコンテストを開く。担当する京村順二弁理士は「発明の面白さを感じてもらい、未来のイノベーター(改革者)を育む機会にしたい」と意気込む。
 人間の知的活動によって生み出されたアイデアや創作物を知的財産と呼ぶ。新技術やデザイン、ブランドのロゴなど、範囲は幅広い。そうした知的財産を特許や意匠、商標として権利化し、保護するためのサポートを行う専門家が弁理士だ。

 京村氏は「世界の革新的なアイデアや技術が一堂に集結するのが万博。特許や商標と言われると、どうしても難しい印象を持たれてしまうが、コンテストという形を取ることで多くの人に関心を持ってもらい、知的財産の重要性を伝えたい」と話す。
 コンテストは中高生や大学生らが対象で、3~5人1組で申し込む。参加者は、10月3~10日のいずれかの日程で会場内の弁理士会のブースを訪れ、富士通や名古屋工業大など12の企業・団体のうち、4者の技術を体験する。生成AI(人工知能)や、現実と仮想世界を融合させる「XR」を活用した技術が中心になるという。
 体験後、弁理士の助言を受けながら、技術やビジネスのアイデアをまとめる。書類審査を通った10組程度は、来年2月に開催を予定する最終審査会に進み、アイデアを発表する。特に優れたものには、弁理士会から権利化を働きかける可能性もある。
 参加者は5月31日まで募集しており、京村氏は「例えば携帯ゲーム機にもうひと工夫して、新たな機能を加えれば特許を取得できるかもしれない。そのひと工夫には、若い人の柔軟な発想が必要だ。理科や数学が苦手でも、技術に興味があるなら気軽に参加してほしい」と呼びかける。

 弁理士も高齢化が進んでおり、将来的に担い手をどう確保していくかが課題となっている。京村氏は「万博を通じて、若い人たちに弁理士の仕事の面白さを知ってもらい、少しでも認知度を上げたい」と力を込める。

(佐藤一輝)




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