新たな価値創出 つなぐ
EXPO共創プログラムディレクター 斎藤精一さん
読売新聞大阪本社版朝刊
大阪・関西万博には、公式プログラムとして「Co―Design Challenge(CDC)」と「TEAM EXPO 2025」が用意されている。いずれも多くの企業や個人がつながり、新たな価値を創出しようとする「共創」の取り組みだ。担当するEXPO共創プログラムディレクターの斎藤精一氏は「中小企業や個人も万博に参加できるプログラム。万博で生まれたつながりが、レガシー(遺産)として会期後も続いてほしい」と話す。
CDCは、中小企業や新興企業などを対象に、共創から生み出されたモノやサービスを会場の運営に活用していく試みだ。これまでに2回公募し、全国から合わせて100件以上の提案が寄せられた。このうち22件が実際に活用される予定だ。
具体的には、▽大量に廃棄されているホタテの貝殻から作ったヘルメット▽伐採後に残る大量の葉や樹皮を活用したベンチ▽簡単にマイボトルが洗える洗浄機――といったモノのほか、「地域材を活用した家具製作」「工場見学と山遊びを組み合わせた観光ツアー」のような「体験型」のプログラムもある。
斎藤氏は「日本全国を万博会場にするため、現地に足を運んで、日本のものづくりの価値を知ってもらいたいと考えた」と説明する。
TEAM EXPOは、企業だけでなく、大学や自治体、個人といった多様な参加者が共創し、万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」の実現とSDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献することを目指すプログラムだ。▽東海道新幹線の廃車車両をアルミ材として利活用▽不用になった古着を回収し、再販売や寄付を行う――など、約2300の企画が進められている。
斎藤氏は「3年前から参加者同士のミーティングを重ねて、それぞれの活動への理解を深めてきた。『他己紹介』が広がって、新たな共創も生まれている」と語る。
活動の成果は会期中、会場内で発表される予定だ。斎藤氏は「万博が社会課題にどう立ち向かうのかを学び、新たな仲間や活動に出会うきっかけになれば」と期待を込める。
(高市由希帆)