編集委員のキーワード解説 KEYWORD
サーキュラーエコノミー
廃棄物をなくすことを目指し、再利用を念頭において経済活動を行う「循環型経済」です。天然資源などの原料を使って製品を作り、消費しては捨てるという「大量生産」、「大量消費」、「大量廃棄」を前提とする経済では、いずれ資源が掘りつくされて成り立たなくなってしまうという危機感が根底にあります。環境汚染、気候変動、生物多様性の損失といった問題の主因ともなる「リニア(直線)エコノミー」を改めることになり、環境に配慮した持続可能な経済の完成形ともいわれています。
英国を拠点とする国際的なサーキュラーエコノミー推進機関、エレン・マッカーサー財団は、サーキュラーエコノミ―について「廃棄物や汚染をなくす(Design out waste and pollution)」「製品や素材を使い続ける(Keep products and materials in use)」「自然を再生する(Regenerate natural systems)」という3原則を掲げています。
環境に配慮した経済を目指す言葉としては、製品をつくる際の資源や廃棄物の量を減らす「リデュース(Reduce)」、製品やその部品を繰り返し使用する「リユース(Reuse)」、廃棄物などを原材料やエネルギー源として有効利用する「リサイクル(Recycle)」の「3R」の重要性が以前から唱えられてきました。
3Rも資源の削減や再利用の推進につながりますが、これらは、ごみ(廃棄物)が発生することを前提にしていることが多くありました。これに対してサーキュラーエコノミーは、原料を調達する段階から再利用を前提とし、これまでごみになっていたものを原料として再活用することで、新たな資源を使わなくても経済が回ることを目指します。
廃棄物を極力出さない経済モデルを作るには、「3R」に「リフューズ(Refuse) 」と「リペア(Repair) 」を加えた「5R」が必要とされています。リフューズは、ごみのもとになるようなものを買わない、もらわないという意味で、具体的には詰め替え用が売られているものを優先すること、常時使わないものはレンタル利用で済ませるなどがあげられ、普及には消費者の理解が不可欠です。
リペアは壊れたものをすぐに捨てずに、修理をしながら使い続けることです。製品設計の段階から修理のしやすさを考え、アフターサービスを充実させるなど、生産者側の対応が求められます。
(読売新聞東京本社編集委員 丸山淳一)