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下請法改正

 大企業から業務を請け負う中小企業が不当な負担を強いられないようにするための法律「下請法」が20年ぶりに大改正されました。2026年1月に施行されます。大企業に比べて不利になりがちな中小企業の取引慣行を見直し、労務費や原材料費などの上昇分をきちんと取引価格に反映させることで、中小企業が従業員の賃上げ原資を確保できるようにする狙いがあります。

3daysフォーラムでも下請法改正を議論

下請法改正のポイント

 まず、「下請け」いう言葉をなくし、「親企業」は「委託事業者」、「下請け」を「受託事業者」として対等な関係を前提にした名前に改めます。法律の名前も「下請代金支払遅延等防止法」が「中小受託取引適正化法(正式名称は製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律)」に、「下請中小企業振興法」が「受託中小企業振興法」にそれぞれ改められます。
 中小受託事業者(下請け企業)から価格を見直してほしいという求めがあったのに、委託事業者(親企業)が協議に応じず、一方的に価格を据え置いたり、不当に安い価格を押し付けたりする行為は禁止されます。受託事業者の手形による支払いを原則として禁じ、中小受託事業者が早く現金を手にできるようにして資金繰りを支援します。
 公正取引委員会だけでなく、事業を所管している省庁も指導や助言ができるようにしたり、委託事業者が適正な支払いをしなかった場合にはきちんと遅延利息をもらえたり、といった改善も図られています。

主な改正内容

 法律の適用対象も拡大されます。委託―受託(発注者・親企業―受注者・下請け)の関係にあるかどうかはこれまで資本金を基準に判断していましたが、新たに従業員数の基準を設けます。製造委託では発注企業の従業員が300人を超え、受注企業の従業員が300人以下なら、委託事業者は法規制の対象になります。
 運送・物流業界では、これまで対象外だった荷主から運送事業者への委託が新たに規制の対象になります。ものづくりには部品などの金型が欠かせませんが、保管にコストがかかるため、委託事業者が受託事業者に保管を強要することを禁じてきました。来年以降は金型だけでなく、木型やジグ(治具、工作物の固定などに使う器具のこと)も対象になります。
 「下請けいじめ」や「買いたたき」がなくなれば、受託中小企業は従業員の賃上げなどがしやすくなり、日本経済の活性化につながることが期待されます。

(読売新聞東京本社編集委員 丸山淳一)