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インパクト投資

 飢えや温暖化といった社会・環境面での課題解決をめざすとともに、収益も追求する投資をいいます。これまでの投資は「リスク」(不確実性)と「リターン」(利益)を勘案し、その是非や額を決めてきましたが、これに、社会的課題解決への「インパクト」(効果や評価)という判断を加えているのが最大の特徴です。3つの軸を評価の基準とするインパクト投資は、基準を3次元化した投資でもあるわけです。

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インパクト投資の4要素

 インパクト投資には4つの要素があり、金融機関は従来の業務にはない対応が求められます。日本では銀行や保険会社などが2021年に「インパクト志向金融宣言」を出して本格的に取り組みを始め、残高は2024年に17兆円を超えるまで拡大しています。2025年には日本の公的年金積立金の管理・運用を行うGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も投資対象に組み入れました。
 最近は環境(Environment)、社会(Social)、企業統治=ガバナンス(Governance)の要素を考慮して投資先を判断する「ESG投資」も増えています。インパクト投資はESG投資と共通点もありますが、ESG投資は投資先の企業の価値や株価の長期的な向上を重視するのに対し、インパクト投資は目に見えるインパクトがあるプロジェクトかどうかを重視します。
 地球温暖化対策を例にとると、温室効果ガスを出さないと宣言している企業に投資するのがESG投資、ある企業の再生可能エネルギー開発やエコカーリース事業に投資するのがインパクト投資、というイメージです。

インパクト投資の位置づけ

 多くの企業がSDGs(持続可能な開発目標)に取り組んでいますが、その中には宣伝効果をあげたり、税制面での優遇を受けたりするため、「グリーンウォッシュ」と呼ばれる見せかけの取り組みをしている企業があるかもしれません。金融機関はインパクトの有無を判断する「目利き」の眼を向上させることが課題となります。企業も金融機関も、評価のための客観的な指標やデータの整備、目利きの人材育成などを進めることが重要です。

(読売新聞東京本社編集委員 丸山淳一)