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為替介入
円相場が急激に動いた時、政府(財務省)と日本銀行が外国為替市場で円やドルなどの通貨を大量に売買することをいいます。普段は為替市場にいない当事者以外の者が入り込むため、「介入」という言葉が使われます。円の価値が急激に上がり過ぎた時は、過度な円高を抑える「円売り・ドル買い介入」、円の価値が急激に下がり過ぎた時は、過度な円安を抑える「円買い・ドル売り介入」が行われます。4月30日には、総額5兆円規模の円買い・ドル売り介入が行われました。
介入はすべて財務大臣が日銀に指示し、日銀が実行部隊となって金融機関との間で通貨を売買します。介入に使う円やドルは国の外国為替特別会計から支出されます。円売り介入では政府が政府短期証券(FB)を発行して円を調達し、ドル売り介入では外為特会が保有するドルが使われます。
円売り介入はFBの発行額を増やせば資金が調達できるのに対し、ドル売り介入の資金は外貨準備が上限になります。日本には1兆ドルを超える外貨準備があり、介入に必要なドルが不足する状況ではありませんが、大規模なドル売り介入をするとドルの価値が下がり、米国の金利が上昇してインフレにつながるおそれがあります。もともと「為替相場は本来、市場が決めるべき」という考え方が強い米国は、「強いドル」の価値が下がることを快く思わないため、一般的には円売り介入より、円買い介入の方が難しいとされています。
介入は相場の流れを大きく変えるため、投機的な取引をしている投資家は介入で大損するおそれがあり、急激な値動きが続くと、市場では介入に対する警戒感が強まります。政府要人が「介入が近い」とにおわせるだけで、資金を使う前に過度な値動きが止まることもあります。
財務相や介入の司令塔となる財務省の財務官などが、それを狙って介入する姿勢を示すことを「口先介入」といいます。あえて介入した事実を伏せ、市場を疑心暗鬼にして介入の効果を高める介入は「覆面介入」と呼ばれています。日本だけで介入しても効果が小さいとみて、他国と歩調を合わせて介入することは「協調介入」といいます。日本の市場で介入しても効果が小さいとみて、外国の通貨当局に依頼して外国の為替市場で介入する「委託介入」という手段もあります。
4月30日の円買い介入は5兆円という大規模なものだったとみられていますが、日本国内の売買が減る大型連休は介入の効果が上がりやすいとされ、5月に入ってからも介入を続けているという観測も出ています。ただ、何度介入しても、日銀が利上げをするなど他の円安抑制策がとられなければ、効果は一時的なものにとどまるという見方もあります。
(読売新聞東京本社編集委員 丸山淳一)