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時価総額
会社の株価に発行済み株式の総数をかけた額で、株式市場に上場している会社が投資家にどれだけ評価されているかを示す代表的な指標です。時価総額が大きいほど、投資家から「価値ある企業」「将来性のある企業」として評価されていると解釈できます。
株価は取引時間中にも変動し、時価総額も刻一刻と変化します。株価の値動きには会社の業績や財務状況、トップの経営戦略への期待、業種の将来性などが反映されており、時価総額はその会社の価値とは必ずしも一致しません。
時価総額は株主にとっての会社の価値を示す「株式価値」と同じです。会社の借金は、株主ではなく債権者(金の貸し手)に返済しますから、株式価値とは分けて考えます。
株式価値に純有利子負債(会社が持つ現金などを差し引いた有利子負債)を加えた負債の総額は、会社の資産の総額と等しくなります。これは「企業価値」と呼ばれています。資産の総額から事業に使わない遊休不動産など(非事業用資産)を差し引いた額を「事業価値」といいます。「時価総額(株式価値)」と「企業価値」「事業価値」は混同されがちですが、それぞれ意味が異なるので、注意が必要です。
日本がバブル景気にわいていた1989年、世界の企業の時価総額ランキングで日本企業は上位5位を独占し、トップ20社中11社は日本企業でした。しかし、直近のランキングでは上位20位に日本企業は1社もなく、アメリカのIT(情報技術)、半導体、AI(人工知能)などの「テック企業」が上位を占めています。
日本株でも長らく時価総額首位だったトヨタ自動車に代わってキオクシアが首位に立つなど、半導体やAI開発関連会社が投資家から成長性や将来性を買われて時価総額を急激に増やしています。
アメリカのテック企業の時価総額は日本企業を大きく上回っており、投資家の期待が高いことがわかります。期待に応えて事業価値を高めていけるかどうかは未知数で、今後、株価が急落するのではないか、という不安の声もありますが、少なくとも日本企業の成長性に対する期待が、相対的に低下していることは間違いありません。高市首相は成長分野への投資で日本企業の再生を図ろうとしています。
(読売新聞東京本社編集委員 丸山淳一)