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IPO

 Initial Public Offering(新規株式公開)の略で、新たに株式を広く投資家に売り出すことをいいます。具体的には、経営陣や創業者など一部の人しか持つことができなかった未公開会社の株式を証券取引所に上場(公開)し、投資家が自由に売買できるようにします。
 新たに株式を発行して多くの人に株式を買ってもらえば、事業などに必要な資金をこれまでより多く調達できるほか、会社の知名度や社会的信用が上がるといった利点があります。一方で、上場するには会社の持つ財産や利益の見通しなどを正しく開示することが求められ、多くの株主を納得させるのに時期がかかり、迅速な経営判断ができなくなるおそれは高まります。

 最近では米国の実業家、イーロン・マスク氏が率いる米宇宙開発企業「スペースX」が史上最大のIPOを行いました。スペースXは1株を135ドルで公開し、863億ドル(約13.7兆円)を調達(正味調達額は857億ドル)。調達額は過去の大型IPOを大きく上回りました。
 米ナスダック市場に上場された株式の初日の終値は公開価格を19%上回る160.95ドルとなり、スペースXの時価総額は2兆1000億ドル(約336兆円)に達しました。同社株式を42%保有しているマスク氏は一時、世界初のトリリオネア(資産1兆ドルを超える兆万長者)となりました。米国では今後もAI(人工知能)開発のオープンAI、アンソロピックが大型のIPOを計画しています。

 上場する株式市場が活況で、買い手がつきやすい方がIPOは成功しやすいとされ、日本の株式市場も日経平均株価が過去にないレベルまで上昇しています。しかし、日本のIPO企業数は増えていません。日経平均株価が一部の「値がさ株」に引っ張られ、市場の実勢を反映していないことや、東京証券取引所が上場を希望する会社に対する審査を厳しくしていることなどが影響しているとみられ、日本のIPOは2026年も前年並みにとどまる見通しです。

(読売新聞東京本社編集委員 丸山淳一)