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実質実効為替レート

 通常、円の価値は円・ドル市場で測られ、円がドルに対して上昇すると円高、下落すると円安とみなされます。ただ、本来は2国間の為替レートだけで通貨の真の価値はわかりません。実質実効為替レートは通貨の総合力を測る指数で、円については国際決済銀行(BIS)のデータをもとに日本銀行が算出・公表しています。
 具体的には、複数の通貨に対する1円あたりの変化率をBISの貿易量のシェア(占拠率)に応じて加重平均し、その数値を合計して基準年次と比べることで、まず円の「実効」レートを出します。実効レートにさらに物価の変動を加味して算出した指数が「実質実効」レートとなります。円の実質実効レートは指数が大きいほど円高になっていることを示します。

 円・ドル相場は2026年7月に1ドル=162円台をつけ、1986年12月以来、39年半ぶりという円安水準になっています。円の実質実効レートも1995年をピークに低下基調が続いており、2026年5月には65.9と、集計が始まった1970年も下回る過去最低の水準に低下しています。

 下落が続く背景には、デフレ経済の長期化、少子高齢化の進行などによる国力の低下があり、実質実効レートの下落は日本経済の弱さを示しています。
 輸出企業にとって円安は、製品を割安に輸出できるなどの利点があるとされてきましたが、生産拠点の海外移転が進み、これまでの「円安=輸出増」の図式は過去のものになりつつあります。一方で円安は輸入物価の上昇を招き、物価高に拍車をかけるといった問題があり、最近は円安のマイナス面だけが目立つようになっています。


(読売新聞東京本社編集委員 丸山淳一)