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リーダーが語る LEADER

金融の知識で人生豊かに

Sponsored by 金融経済教育推進機構(J-FLEC)

金融経済教育推進機構(J-FLEC)理事長 安藤聡 氏
金融経済教育推進機構(J-FLEC)理事長 安藤聡 氏

 政府や日本銀行のほか、銀行や証券会社などの民間団体が連携して今年4月に発足した金融経済教育推進機構(J―FLEC*=ジェイ・フレック)が8月から、本格稼働する。これらの団体がそれぞれ進めてきた金融経済教育の取り組みを一元化する。初代理事長の安藤聡氏がJ-FLECが目指す世界を語った。

Q)J-FLECはなぜ設立されたのか。

 国全体として、中立的な立場から、金融経済教育を推進することで、より幅広い世代に実用的な知識を学ぶための機会やきっかけを提供していくことが目的です。そのために、日本における官民一体となった金融経済教育の司令塔として設立されました。

 人生には、お金にまつわる選択の場面がたくさんあります。J-FLECが目指す金融経済教育は、投資を学ぶだけではありません。具体的には、家計管理・生活設計・資産形成を含めた広範な内容を対象にします。そして、今、大きな問題になっている投資詐欺や金融トラブルの防止や抑止も含みます。

 家を買うか借りるか、子供の学校をどう選ぶか、老後の生活費をどのように確保するか――。

 ライフステージに応じて必要となるお金に係る知識や判断力(金融リテラシー)は、さまざまです。しかし、日本では十分に金融経済の教育が行き届いてきませんでした。日本で金融経済教育を受けたと実感する人の割合は現在7%とわずかです。政府は、米国と同水準の20%までの引き上げを目指しています。J-FLECとしても、こうした数値目標の達成だけではなく、お金の話をタブー視する日本の文化そのものを変えていきたいと考えています。

 経済的な余裕は人それぞれで異なりますが、金融経済の知識や判断力を持つことは人生を豊かにするために不可欠です。

Q)どんな取り組みをしていきますか?

 J-FLECは官民が一体となって設立された金融庁の認可法人ですので、特定の金融機関や金融商品などを紹介するようなことは一切しません。あくまで「中立で公正」な運営に徹します。「この商品がおすすめです」といった具体的な答えでなく、皆さんに自身に適した商品を選ぶための基礎的な知識を得てもらう環境を整えることが役割です。

 たとえば、標準講義資料を作ります。近年、小・中学校・高校で学ぶ金融経済教育の内容が充実してきていますので、これらの教材を参考にしてもらえるよう公開し、学校の先生方を積極的にサポートしたいと考えています。ほかにも、全国の企業や学校などに、J-FLECの認定アドバイザーを派遣する出張授業も無料で行い、その際にも標準講義資料を使います(受付は2024年8月から)。

 また、中立的なアドバイザーをJ-FLECとして認定・公表することで、安心して相談してもらえるようにします。個別相談も受け付けます。相談を通じ、自分のライフステージにあわせたお金の使い方や管理の仕方などと向き合ってもらう機会として活用してもらいたいと思います。

 繰り返しになりますが、金融リテラシーとは、個人がお金に関して正しい情報に基づいて意思決定を行うための知識や判断力です。

 例えば、家計管理では、今のライフステージではどれくらい貯蓄を残さなければいけないのか。それを差し引いた残りをどう使うか。貯蓄ができると、次は資産形成をどうするかという段階に入ります。常に将来を想像しながら考えていくことが大切です。

 そして、知識を持つことで、お金にかかわるトラブルも回避しやすくなります。

 普段からライフステージを想定して、選択肢を考えておくことで、自分が想定していないことにも対応できる。「人生の羅針盤」といってもいいかもしれません。

 地図をどのように使うのか、方位磁石をどう使うのか。J-FLECでは、羅針盤である金融リテラシーを身につけてもらう機会をつくっていきます。

Q)J-FLECが目指す社会像は?

 人生は何が起こるかはわかりません。

 70歳から80歳の未来をイメージするのがベストですが、とりあえず10年先の将来だけでもかまいません。もちろん、その時その時で刹那的にお金にまつわる判断をしてしまうこともあると思いますが、常に先を想像して考えておくだけで、判断力と変化に対する対応力を養うことができます。

Q)ご自身の人生で金融教育はどのような存在ですか。

 2023年6月まで46年間強にわたりビジネスの世界を経験してきました。その間、投資や資産運用業務に携わり、さらに企業年金改革や社員に対する金融経済教育を通じて人的資本経営の強化にも注力してきました。しかしながら、私自身は、学生時代も社会人になってからも体系的な金融経済教育を受けることがなかった世代ですので、金融機関に勤めていたことがあるとはいっても、振り返ってみると「紺屋の白袴(ばかま)」で反省も多々あります。

 だからこそ、私自身が金融経済教育の必要性に対する社会のニーズの大きさを痛感しています。

 私が二十歳代後半に駐在したアメリカでは、子供の時からお金のことを意識する機会が与えられていました。バザーであったり、寄付であったり、親子が一緒にお金と向き合っています。日本でも教育の機会が増えてくれば、家庭でも職場でもコミュニティでもお金のことを話題にして互いに教え合う文化が醸成されるはずです。その意味で、金融経済教育をしき詰めていけば、必ずや社会を変える原動力になります。

 政府目標である、5年後に金融経済教育を受けた人の割合を「20%」に高めることを目指してJ-FLECとしても貢献していきたいと意気込んでいます。

 まだまだ金融経済教育が定着していない中で、タフな役割ですが、新NISAがスタートし、海外からの日本への投資マネーの流入や株価の上昇、デフレマインドの転換など金融経済教育を強化するタイミングとして恵まれています。金融経済教育推進をライフワークとして全力投球します。

*J―FLEC

Japan Financial Literacy and Education Corporationの頭文字から名付けた

安藤 聡氏

安藤 聡氏 (あんどう・さとし)

1977年慶応義塾大学法学部卒業、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。ジャカルタ支店長など経て2007年オムロン入社、執行役員常務グローバルIR・コーポレートコミュニケーション本部長などを経て2017年取締役。23年6月に同社退社。24年4月から現職。

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