3月8日は、国際女性デー 自分らしく活躍できる社会を目指して
女性の社会参加の促進を目指して国連が制定した3月8日の国際女性デーにあわせて、女性のキャリア形成支援をテーマに特別座談会を行った。さまざまな制度やプログラムなどで女性のキャリア形成支援に力を入れるMS&ADインシュアランスグループホールディングスの堀幸子さんと、TV、ラジオなどで活躍するタレントのLiLiCoさん、そして大手小町編集長の宮木優美で、働く女性が直面するキャリアの悩みや企業が進める取り組みなどについて語り合った。
育児と仕事 両立に必要なのは対話

ホールディングス株式会社
執行役員 リスク管理部長
- 宮木
記者として仕事を続けてきて、これまで一度だけ「もう仕事を続けるのは無理かも」と思ったことがあります。それが、妊娠・出産でした。それまでは、仕事が深夜におよんでも構わず、時間を気にせず楽しく働いていたのですが、子どもがいたら保育園のお迎えの時間にあわせて必ず終わらなければなりません。「これまでのようには働けない」と気付いたとき、茫然と立ち尽くしてしまいました。
- 堀
子どもがいても、宮木さんのように仕事を続けたいという方もいれば、育児に専念したいという方もいて、産休育休や復職に対する考えや想いは人それぞれですよね。キャリア形成を支援するために大切なのは、双方向のコミュニケーションだと思います。MS&ADグループの三井住友海上では、「ワーキングママ・パパ支援プログラム」と称し、産休に入る前、産休・育休中、そして復職後の3つの段階で、必要なサポートの提供やきめ細かなコミュニケーションの創出を行っています。希望者には、育休中でも在宅で臨時就業できる「MSクラウドソーシング」という制度も設けました。
- 宮木
社員と上司でしっかりコミュニケーションをとって、本人がどうしたいかを聞き取ることがまず大前提ですよね。
- 堀
対話が十分でなければ、マミートラック※のように良かれと思って行ったことが裏目に出ることも考えられます。「お子さんがまだ小さいから大きな仕事を任せるのはかわいそうだ」と上司が考えている一方で、本人は「何とかやりくりして頑張ろう」と思っているかもしれません。そして、復職後も時間の経過につれ、別の想いが生まれてくるかもしれません。管理職の社員には、本人と何度も面談の機会を設けるように伝えています。
- LiLiCo
会社でも家庭でも、コミュニケーションが足りていないために起こる摩擦がたくさんあります。「察して」という方法で、状況をよくすることはできないですよね。例えば管理職の方なら、「僕は育児を全部妻に任せきりだったことを反省している。皆さんは、もしお子さんが生まれたら仕事と家庭のバランスをどうしたいか教えてね」と、部下のみんなに言えたら、部下の方たちも気持ちを素直に話しやすくなるんじゃないかと思います。
- ※
- マミートラック:産休育休から復帰後に、本人の希望に反して補助的な業務や責任の軽い業務に配置され、出世コース(キャリアトラック)から外れる状態
役職を経験して将来のキャリアを描く

大手小町編集長
編集局生活部記者
- 宮木
さまざまな取材先を訪問すると、働く女性や女性管理職の割合が増えているのを実感します。
- 堀
MS&ADグループでは、管理職(※1)の女性比率の目標を「2030年度末までに30%」として取り組んでいて、2025年4月時点で23.8%まで進捗しています。加えて、意思決定層の多様化を目指して、ライン長(※2)の女性比率の目標を「2030年度末までに15%」と設定し、21.3%と目標を達成しています。
- LiLiCo
テレビ番組の制作スタッフも、女性が多くなりました。最高責任者であるプロデューサーに就く女性も増えています。でも、今ADをしている女性スタッフたちが将来ディレクターを目指しているかというと、そうでもないようです。
- 堀
若い世代は、将来管理職になる自分を想像しづらいのだと思います。なぜなら、ロールモデルが少ないからです。そこで、副部長、副支店長のポジションを新設し、女性社員を充てる取り組みを行っています。責任と権限のある職務を経験させることで、将来の女性部支店長を育成することが目的です。なぜ女性だけなのか、という意見もあるかと思いますが、会社のこれからを考えての対策です。そしてもちろん、男女ともに階層ごとで必要となる制度や研修の拡充は続けています。

- 宮木
取材先からは、女性管理職を増やしたいのだけれどそもそも適齢期の女性がいない、という声も多く聞きます。私の年代以上の女性では、昔は正社員だったけれど今はパートとして働いている方や、それこそ先述のマミートラックによって出世コースを離れた方など、家庭や会社の状況でこうならざるを得なかったという方がたくさんいます。
- LiLiCo
日本は先進国なのに、残念ながら女性の働く環境はとても遅れています。たとえ“副”がつくポジションだとしても、女性が管理職に就いているという風景をつくることで、未来が変わっていきそうですね。
- 堀
ひとまず経験してみて、「大変だけどやりがいは大きい」と気付くことができたら、きっともっと上を目指してみたくなるのではと思います。かくいう私も、今のポジションに就いたとき「私なんかで大丈夫だろうか」と不安でいっぱいになりました。幸いにして当社には挑戦を許す気風があり、また、その当時の上司が「大丈夫だから、頑張りなよ」と背中を押してくれて、一歩踏み出す勇気を得ました。
- ※1
- 課長職以上の役職者
- ※2
- ラインマネジメントを担う管理職
男性も育児に参加しないともったいない!

映画コメンテーター
- LiLiCo
ここ5年ほどで、ベビーカーを押したり赤ちゃんを抱っこしたり、育児に参加する男性をよく見かけるようになった気がします。まあ私から言わせれば、女性も男性も育児に参加するのは、もとから当たり前のことなんですけど!
- 堀
赤ちゃんの時期は日ごとに成長しますから、男性も育児に参加しないともったいないです。育児の役割分担は各家庭でそれぞれあるかと思いますが、子どもがいるのに仕事ばかりしていては、子供の成長ステージごとのかわいさやそのときにしか味わえない喜びを捨ててしまうことになりかねません。
- LiLiCo
経験すれば、育児がどれほど大変かもわかりますしね。私は年の離れた弟の世話をしていたので、「なんで言うこと聞かないの!」という瞬間をたくさん経験しました。
- 宮木
育児の経験は、仕事にも生かされます。育児を経験した身だからこそ得られる視点がありますし、仕事を通じて私と同じような状況で育児をされている方や、役立つ支援やサービスを知ることができました。
- 堀
MS&ADグループの三井住友海上では2024年度から定時退社を経営目標に掲げ、自動消灯などを実施し、残業対策に取り組んでいます。私の職場でも多くの人が残業せずにすぐ帰るようになりました。これにより、男女ともに社員が仕事と私生活のメリハリをつけ、育児や介護、趣味、勉強などに時間を割けるようになりました。
働くあなたへメッセージ
- LiLiCo
- 将来おばあちゃんになったとき、「もっと自分のしたいことをすればよかった」って後悔したくないですよね。だから、自分で自分を止めちゃだめ。自分のキャリアは自分でつくらなくっちゃ。やりたいこと、やりましょう!私の目標は、好きなことをどんどんやり続けて、105歳まで生きて、最期は万歳しながら棺桶に入ることよ!
- 宮木
- 女性だからこうしなくちゃいけない、と考える必要はありません。女性だから育児担当だなんて、思わないでください。男性の育休取得率は約15年前は1%台でしたが、ようやく今40%台まで高まってきました※。男性も含めて社会が変わってきている証拠だと思います。
- 堀
- 仕事をしているといろいろなチャンスが転がっているので、ぜひそれを拾ってみてください。やってみたら案外おもしろいかもしれませんよ。ちょっと違うなと思えば、また別のチャンスを拾えばいいのです。興味がそそられるほうへ、どんどん挑戦を続けることで、自分の可能性が広がっていくはずです。
- ※
- 参考:「令和6年度雇用均等基本調査」結果(厚生労働省)

