ITPと上手に付き合い、
その人らしく生きるために
――日常生活において、ITP患者さんが気を付けたいことを教えてください。また、悪化のサインを見逃さないようにするにはどうしたら良いですか。
山之内日常生活では、まず出血につながるようなケガをしないこと。それから、風邪などの感染症が血小板減少の引き金になることがあるので、手洗いなど、できる範囲で予防を心がけていただきたいです。
血小板の数は、安定している時期でも急に減少することがあります。日常生活の中では、皮膚に点状の出血がないか、紫斑の出方、口の中の出血の有無、便の色などをご自身でチェックしていただくことが大切です。女性の患者さんの場合は、過多月経にも注意が必要で、私たち医師の側からも、貧血の症状がないかを定期的に伺うようにしています。
小浦ケガや頭への打球に気を付けるのはもちろんですが、僕の場合、意外と神経を使うのがマダニです。マダニが媒介するウイルスに感染すると、やはり良くないですよね。
山之内そうですね。マダニに限らず、感染症に感染すると、血小板が減ってしまいますので、ぜひ気を付けてください。
小浦なので、ゴルフコースでも山や林のほうにはできるだけ入らないようにしています。ボールが曲がっても深追いはしませんし、短パンもはかないようにしています。
――最後に、同じ病気と向き合う患者さんやそのご家族へ、お二人からメッセージをお願いします。
小浦治らないと言われている病気ですから、不安になるのは当然だと思います。でも、いいことも悪いことも、受け入れて前を向くしかない。僕の場合は、妻が「生きてるだけでいいやん」と言ってくれたことにも、ずいぶん救われました。
また、主治医とよくコミュニケーションをとることもすごく大事だと思います。僕のキャリアを考慮して、治療のタイミングなどを考えてくださったことは本当にありがたかったです。
山之内血糖値や血圧を手軽に測れるように、血小板数も患者さんご自身で簡単に測定できる機器があればいいのにと願っていますが、今のところ血液検査でしかわかりません。ですから、ご自身の身体を日ごろからよく観察して、出血のサインに気づいたら、いつでも早めに医師に相談していただきたいと思います。
ITPは、正しく付き合っていけば、日常生活はもちろん、小浦さんのように第一線で活動を続けることも十分に可能な病気です。まずは正しい知識を持っていただくことが、患者さんにとっても、周囲の方にとっても、大きな安心につながります。長く付き合っていく病気だからこそ、その人らしい生き方を続けられるよう、私たち医師もできる限りお手伝いしていきたいと考えています。


