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新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の流行が始まってから5年以上、5類感染症へ移行からも2年近くが経ちました。さて、現在の感染状況、そして予防対策や感染した際にとるべき対応はどのようになっているのでしょうか?日本感染症学会専門医の佐藤昭裕先生に聞きました。
新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)の流行が始まってから5年以上、5類感染症へ移行からも2年近くが経ちました。さて、現在の感染状況、そして予防対策や感染した際にとるべき対応はどのようになっているのでしょうか?
日本感染症学会専門医の佐藤昭裕先生に聞きました。
コロナは現在、夏と冬に1回ずつ流行のピークを迎えるサイクルになっていると見られています※1。ちなみに、現時点(取材が行われた2025年1月28日)のコロナの感染者数は私のクリニックで1日1人から2人程度で、発熱外来は比較的落ち着いている状況です。しかし、定点報告に移行したことで全数把握が行われなくなり、病院に来院せずに自宅で対処するケースも増えているはずなので、実際の感染者数は報告されている数より多いと考えられます。
現在(2025年1月下旬)はJN.1系統の子孫株、XEC株などが増えてきています※2。基本的に、流行するのは「過去の株より広がりやすい株」なので、いま増えてきている変異株は過去の株よりも感染力が強く、免疫を回避する能力があると考えられます。主な症状としては、発熱・咳・喉の痛み・鼻水といった風邪に似た症状が見られますが、人によって症状の強さは異なります。
年齢が重症化リスクに強い影響を与えていることが分かっています。30代を基準とすると、40代で約4倍、50代で約10倍、60代で約25倍、70代で約47倍、90代では約78倍のリスクがあります※3。もちろん、基礎疾患を持つ方も注意が必要です。
海外からの報告では罹患後症状の発生は20代以上の女性に多いと言われています※4。また国内からは中年層に多いという報告もあります※5。女性という要因以外にも、急性期(感染初期)に重症であったり、より多くの症状が出たり、十分に休めなかったり、抗ウイルス薬治療を受けたか否かなどの要因が関係するかもしれないという報告もあります※6。また、既往症、ワクチン未接種、再感染も罹患後症状悪化の要因となります※6。主な罹患後症状としては、長期間続く咳や息苦しさ、疲労感などのほか、認知障害なども報告されています※4。予防対策の徹底やワクチン接種などにより感染しないようにすることが大切だと思います。
コロナで出やすいのは、喉の痛みや咳、鼻水、倦怠感、発熱といった風邪で生じるような症状です。体調が辛いと感じたら早めに受診するのがよいでしょう。
日本で現在使用可能な抗ウイルス薬の飲み薬は3種類※7あり、それぞれに特徴があります。患者さんごとに適切な薬が異なるため、医師と相談のうえ、費用面と治療効果を考慮して薬が処方されることになります。抗ウイルス薬は、発症から5日以内(一部、72時間以内)、点滴による薬は7日以内の使用が一般的ですので※7、特に高齢者や基礎疾患を持つ方は、たとえ医療機関が混雑していても早めの受診を心がけてください。
まずは換気を徹底しましょう。窓を開けて空気の流れを確保することが効果的です。手洗いや手指消毒も有効です。さらに、家の中でもマスクを着用することが推奨されます。家庭内感染を防ぐには、これらの対策を徹底することが重要です。
感染経路としては、会話やくしゃみなどにより感染者のしぶきを吸い込んでしまう飛沫感染、空気中に浮遊するウイルスを含むエアロゾルを吸い込むことによるエアロゾル感染が知られています※8。
ウイルスがついた物に触れてから目などを触ることで感染する接触感染もあります※8。
感染予防における基本的な対策は、以前から変わっていません。飛沫感染を防ぐにはマスクの着用が重要です。接触感染に対しては、こまめな手洗いや手指消毒が有効です。また、空気感染を防ぐためには、室内の換気を徹底することが必要です。
また、うがいについては厚生労働省などの資料では特に推奨されていません。ウイルスは気道や粘膜に付着してから約20分で体内に侵入するとされており、現実的に20分ごとにうがいを行うのは難しいためだからだろうと私は考えています。
現在、コロナワクチンの定期接種の対象となっているのは65歳以上の高齢者と、60歳から64歳までの一定の基礎疾患を持つ方です。接種することで重症化を防ぐ効果等があることが確認されています※9。
日本では65歳以上の方と基礎疾患を持つ方の一部に区市町村による定期接種が行われており、それ以外の方は任意接種として自己負担での接種が行われています※9。ワクチンに含まれる株も流行しているウイルスの株に合わせて新しくなっていますので、定期的に接種することが望ましいでしょう。
ワクチンの接種を受けることにより、重症化予防は期待できます。感染予防に関しては、ある程度の効果は期待できると思います。
最近はワクチンに関するネガティブな情報が流れているため、一般の方が混乱しているように見受けられます。
ワクチンに関する情報は、厚生労働省など公的機関の資料を参考にすることをお勧めします。また、副反応や体質に合わない場合があることは確かですが、これはコロナワクチンに限らず、すべての薬やワクチンに共通することです。医師によく相談して、正しい理解を得て、ご自身に合った選択をしてください。
※1
厚生労働省:2025年1月24日新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について[2025年3月14日閲覧]
https://www.mhlw.go.jp/content/001382284.pdf
※2
国立感染症研究所:新型コロナウイルス感染症サーベイランス月報 発生動向の状況把握2025年1月[2025年3月14日閲覧]
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/covid19/pdf/COVID-19_2025m01.pdf
※3
厚生労働省:(2023年4月版)新型コロナウイルス感染症の“いま” に関する11の知識[2025年3月14日閲覧]
https://www.mhlw.go.jp/content/000927280.pdf
※4 Sarah Wulf Hanson et al.JAMA.2022;328(16):1604-1605.doi:10.1001/jama.2022.18931
※5
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント 第3.0版
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001159335.pdf
※6 Trisha Greenhalgh et al. Lancet. 2024;404(10453):707-724. doi: 10.1016/S0140-6736(24)01136-X
※7
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 第10.1版[2025年3月14日閲覧]
https://www.mhlw.go.jp/content/001248424.pdf
※8
国立感染症研究所:新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染経路について[2025年3月14日閲覧]
https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2484-idsc/11053-covid19-78.html
※9
厚生労働省:新型コロナワクチンQ&A [2025年3月14日閲覧]
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_qa.html





























