早稲田大学の教育・研究・文化を発信 WASEDA ONLINE

RSS

YOMIURI ONLINE

ホーム > 文化 > 早稲田大学ニューイヤー・コンサート2010—「正調ウィンナ・ワルツ」のもとで

文化

早稲田大学ニューイヤー・コンサート2010
—「正調ウィンナ・ワルツ」のもとで

1.第1回の「早稲田大学ニューイヤー・コンサート」

 新年を祝う「早稲田大学ニューイヤー・コンサート2010」が開催されます。大学主催のニューイヤー・コンサートとしては第1回目となります。「正調ウィンナ・ワルツ」のコンセプトのもとにシュトラウス・ファミリーの楽しく祝祭的なワルツ、ポルカなどが演奏されます。中でも2人のソリストを迎えてのワルツ「春の声」(ソプラノ・ソロ付)と、モーツァルトの「フルート協奏曲第2番」は目玉のプログラムです。そして公式プログラムには記載されていませんが、「ニューイヤー・コンサート」といえば、きってもきれない「あの名曲」で締めくくられる予定です。

 大学行事初登場の早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団(WPO)は1979年12月に設立された大学公認の学生団体で、創立30周年を迎えました(*)。年2回の定期演奏会のほか早稲田祭、室内楽演奏会など幅広い音楽活動を行っています。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の典雅な音と響き、アンサンブルを目標としており、ニューイヤー・コンサートにはまさにうってつけです。

(*)2009年12月27日(日)には、すみだトリフォニーホールにて「創立30周年記念演奏会」を開催します。学生および早稲田大学関係者は無料です(ご身分を証明できるものをお持ちください)。詳細は下記3の記事をご参照ください。

早稲田大学ニューイヤー・コンサート2010の演奏会概要

【日時】
2010年1月9日(土)
14:00開場 14:30開演 (17:00頃終演予定)

【会場】
大隈記念講堂大講堂

【曲目】
第1部:
ヨハン・シュトラウスII世  喜歌劇「こうもり」序曲
Johann Strauß II, "Die Fledermaus" Ouvertüre
ヨハン・シュトラウスII世  ポルカ・シュネル「雷鳴と電光」 作品324
Johann Strauß II, Unter Donner und Blitz, Polka schnell, op.324
ヨーゼフ・シュトラウス ポルカ・フランセーズ「鍛冶屋のポルカ」 作品269
Josef Strauß, Feuerfest, Polka française, op.269
ヨハン・シュトラウスII世  ワルツ「春の声」(ソプラノ・ソロ付) 作品410
Johann Strauß II, Flühlingsstimmen Walzer, op.410

(休憩)

第2部:
J.シュトラウスII世  ワルツ「南国のバラ」
Johann Strauß II, Rosen aus dem Süden Walzer, op.388
W.A.モールァルト  フルート協奏曲第2番 ニ長調
Wolfgang Amadeus Mozart, Konzert für Flöte und Orchester, D-dur, KV314(285d)
ヨーゼフ・シュトラウス ポルカ・マズルカ「とんぼ」
Josef Strauß, Die Libelle, Polka mazur, op.210
ヨーゼフ・シュトラウス ポルカ・シュネル「憂いもなく」
Josef Strauß, Ohne Sorgen Polka schnell, op271

【出演】
管弦楽 早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団(ニューイヤー・コンサート レジデント・オーケストラ)
ソプラノ 沖田文子(二期会会員)
フルート 知沢由維(パリ・エコール・ノルマル音楽院首席卒業)
指揮&Vn. 征矢健之介(同楽団相談役、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団)

※入場無料、全席指定
※曲目・曲順などは変更となる場合がありますので、予めご了承ください。
※お車でのご来場はご遠慮ください。
※未就学児のご入場はご遠慮ください。

お申込み方法(入場無料・全席指定)

 本コンサートは、本学学生・学生のご父母様、校友、教職員を対象としておりますので、Wasedanet-portalよりお申し込みください。定員に達し次第、募集を終了させていただきます(先着順)。

 当選者には「指定席チケット引換券」をお送りしますので、演奏会当日に受付にて「指定席チケット」と引き換えさせていただきます。引換券に記載された引換方法と注意事項をご覧ください。

 全席指定席ですが、お席(場所)をお選びいただくことはできませんので、予めご了承ください。

 なお現職の教職員かつ校友の方は、教職員としてお申し込みください。

お問合せ

主催:早稲田大学文化推進部
Tel:03−3203−2643(宮下)
E−Mail:wiener-walzer@list.waseda.jp
URL:http://www.waseda.jp/cac/news091023.html

共催:早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団
URL:http://www.wasephil.com/index.php

2.ニューイヤー・コンサート、ウィンナ・ワルツとシュトラウス

 ここでニューイヤー・コンサートとウィンナ・ワルツの歴史、当時活躍した音楽家(作曲家)たちについて見ていきましょう。

(1)ニューイヤー・コンサートの歴史

 「ニューイヤー・コンサート」と言えば、今や世界中に生中継され40ヶ国10億人以上が新年を祝うと言われている「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサート」のことを一般的には意味します。この“ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート”は1939年にクレメンス・クラウス(Clemens Heinrich Krauss, 1893−1954年)により始められました。プログラムはシュトラウス・ファミリーのワルツやポルカを中心に、ウィーン楽友協会(Wiener Musikverein)で開催されました。これが今日的な形態でのニューイヤー・コンサートの始まりです。

 しかしワルツやポルカで新年を祝うニューイヤー・コンサート自体は、実は150年以上の歴史をもっています。その第1回はヨハン・シュトラウスI世が自前で組織した「シュトラウス楽団」を指揮しての大晦日・新年と続いた「年越しコンサート」でした。

(2)ウィンナ・ワルツの歴史

 今日的な意味でウィンナ・ワルツ(Wiener Walzer)といえば、単にウィーン風のワルツだけでなくウィーンにちなんだポルカ、ギャロップ、マーチなどを含んだ音楽や舞踏の意味まで暗黙に含んで使われるようになりましたが、もともとワルツは13世紀にチロルやバイエルンの農民が踊っていたテンポの速い三拍子の「ヴェッラー」(Weller)というダンスが起源といわれています。これがインスブルック経由で帝都ウィーンに入り人気を博し、オーストリアのみならずハプスブルク帝国領内で流行するようになりました。この過程でワルツは徐々に社交の場である種々の舞踏会や宮廷での典礼・儀式にも取り入れられようになり、ついにはホーフブルク王宮で開催される最も格式の高い皇帝舞踏会(カイザーバル)やハプスブルク宮廷舞踏会でもワルツが取り入れられ、ウィンナ・ワルツとして洗練と変容を遂げていきました。そしてこのウィンナ・ワルツの人気を決定的にしたのが「会議は踊る」で有名な1814年のウィーン会議での社交で、これを契機にヨーロッパ全土へと広まっていきました。

 このようにもともとウィンナ・ワルツは舞踊あるいは舞踏会のための音楽でしたが、次第に純粋な演奏会形式の音楽としても取り上げられるようになりました。本場のウィンナ・ワルツが単純な三拍子ではなく「微妙なリズムの揺れ」があるのは、もともとが踊りのための音楽であったからです。この聴く側にとっては「得も言われぬ心地よいリズムの揺らぎ」は、演奏する側にとっては高度な音楽性と技術が必要となります。今回のニューイヤー・コンサートでは、この「ワルツのツボ」を早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団がどのように演奏するのかが一つの楽しみでもあります。

(3)当時活躍した音楽家(作曲家)たち

 当時活躍したウィンナ・ワルツの有名な作曲家たちといえば、以下の音楽家たちの名前を挙げることができます。

ヨーゼフ・ランナー(Josef Lanner, 1801−1843年)、
ヨハン・シュトラウスI世(Johann Strauß I., 1804−1849年)、
ヨハン・シュトラウスII世(Johann Strauß II., 1825−1899年、長男)、
ヨーゼフ・シュトラウス(Josef Strauß, 1827−1870年、次男)、
エドゥアルト・シュトラウス(Eduard Strauß, 1835−1916年、三男)、
フランツ・レハール(Franz Lehár, 1870−1948年)

 特に当時から人気を博していたのはヨハン・シュトラウスI世と3人の息子たちの「シュトラウス・ファミリー」でした。ヨハン・シュトラウスI世は「ワルツの父」、長男のヨハン・シュトラウスII世は「ワルツ王」とそれぞれ呼ばれていました。彼らは作曲の傍らそれぞれ自前で「シュトラウス楽団」を組織して、各地を巡業しながら自ら作曲した曲を演奏する興行もおこなっていました。

 またヨハン・シュトラウスII世は、当時ウィーンに住んでいた大作曲家ヨハネス・ブラームス(Johannes Brahms, 1833−1897年)とは親友でした。ヨハン・シュトラウスII世が作曲したあの有名な名曲「美しく青きドナウ」(An der schönen, Blauen, Donau Walzer, op.314)について、ブラームスは「残念ながらヨハネス・ブラームスの作品にあらず」と嘆き、その美しい音楽にすっかり魅了されたという逸話が残っているほどです。

3.早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団と創立30周年記念演奏会

 今回ニューイヤー・コンサートのレジデント・オーケストラとして大学行事に初登場の早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団(WPO:Waseda University Philharmonic Orchestra)は、1979年12月に設立された早稲田大学公認の学生オーケストラで、創立30周年を迎えました。早稲田大学の学生を中心に、日本女子大学、東京女子大学など他大学生を含む約100人で構成されています。

 前述のように、年2回の定期演奏会のほか早稲田祭、室内楽演奏会、ボランティアで子供向け音楽教室の開催など、幅広い音楽活動を行っています。オーケストラを室内楽の延長として捉え、各団員の表現意欲の有機的な融合によって生まれる豊かな音楽作りを目指しています。

 今年は創立30周年の記念すべき年ということもあり、「創立30周年記念演奏会」をすみだトリフォニーホール(新日本フィルハーモニー交響楽団の本拠地)で開催します。概要は以下のようになりますが、学生および早稲田大学関係者は無料となります。(ご身分を証明できるものをお持ちください。)

創立30周年記念演奏会概要

【日時】
2009年12月27日(日) 13:30開場 14:00開演

【会場】
すみだトリフォニーホール(最寄駅:JRおよび半蔵門線・錦糸町駅)

【曲目】
サン=サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」
C. C. Saint-Saens, Symphony No.3 "Organ"
ハイドン 交響曲第101番「時計」
F. J. Hydon, Symphony No.101 "Clock"
ベルリオーズ 序曲「ローマの謝肉祭」
L. H. Berlioz, Roman Carnival Overture

【出演】
管弦楽 早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団
オルガン 新山恵理
指揮 松岡 究

【詳細情報】
早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団の下記URLをご参照ください。
http://www.wasephil.com/index.php