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文化

▼大隈講堂物語—早稲田を訪れた人びと—

4)「仲間があったからこそ」—1990年代以降

小島 英記(1970年政治)/作家・早稲田学報編集委員

クリントンの対話
来校したロバート・F・ケネディ米司法長官
米国大統領ビル・クリントン

1993(平成5)年7月7日、「クリントン米大統領 講演と対話の会」が大隈講堂で催された。学内を散策し、大隈庭園脇からガーデンハウスにいたる道の七夕飾りに感興をそそられたようだった

 1989(平成元)年5月15日、「海の中の永遠」を立松和平が講演。早大在学中、『自転車』で第1回早稲田文学新人賞。『遠雷』で野間文芸新人賞、『毒風聞・田中正造』で毎日出版文化賞。同17日、脚本家の山田太一が「現実観をめぐって」を講演。早大教育卒、松竹退社後フリーの脚本家に。倉本聡、向田邦子と「シナリオライター御三家」と呼ばれた。東京放送の「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」など。1988年、『異人たちとの夏』で山本周五郎賞。

 海部俊樹首相がホームカミングデー式典(10月22日)で講演。「私自身が地方へ出て行って、『対話集会』をスタートさせたいと思っております。そうして国民の皆さんの声を聞き、『根っこと政治の風通しをよくしていけ』という大隈老侯の考え方を、私の政治行動の中に実践して現していかなければならないと思っております」。

 ビル・クリントン米大統領の「講演と対話の会」が1993(平成5)年7月7日に行われた。戦後のベビーブーマー初の大統領は「『新太平洋共同体』は日米のパートナーシップの再生、より開放された経済と貿易拡大に向けての前進、それに民主主義の支援に立脚しています」と語った。

ソ連宇宙飛行士 ユーリー・ガガーリン
大韓民国大統領金泳三

1994(平成6)年3月25日、名誉博士学位を贈呈された

 1994(平成6)年3月25日、金泳三・大韓民国大統領が「新しいアジア、新しい世界の設計」。2002年から早大特命教授。早大名誉法学博士。「変化と改革を追求している韓日両国は、相互補完的パートナー関係を定着させつつあります。今こそ、韓日関係を新しいレベルに発展させる、絶好のチャンスです」。

 コロンビア大名誉教授ドナルド・キーンが「恩師角田柳作先生」(於図書館)について語ったのが7月8日。「先生にとっては教えることが職業、ものを書くのではなく、学生に知識を情熱をもって直接教えるところに教師としての幸せを感じておられたと思います。(略)ただ教え子の1人として、出版物がないために角田先生が知られていないことは、残念に思います」。

マンデラ首相に名誉博士号

 1995(平成7)年7月4日、名誉博士にネルソン・マンデラ・南アフリカ共和国大統領。黒人解放運動指導者。ノーベル平和賞。反アパルトヘイト運動により国家反逆罪終身刑で26年間収監された。1994年、大統領。

 1996(平成8)年5月20日、「旅に出よう│身体と想像力の復権のために」を作家の辺見庸。早大2文卒、共同通信出身。『自動起床装置』で芥川賞。『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞。

 1997(平成9)年3月27日、マハティール・ビン・モハマド・マレーシア首相が「アジアの未来と日本の役割世紀を担う若者達の役割を中心として」を講演。開業医から政治家へ。首相となり、欧米でなく日本・韓国を見習おうと「ルックイースト」政策をとって国力を発展させた。

 ドイツ連邦共和国のローマン・ヘルツォーク大統領に名誉博士学位贈呈(4月7日)。記念講演「パートナーシップと責任│21世紀に挑むドイツと日本」で日独の類似点を指摘、両国が協力して21世紀の世界に貢献していくべきだと力説した。

 映画評論家の淀川長治が「映画から学んだこと」を語ったのが5月14日。日本教育テレビ(現テレビ朝日)の「ララミー牧場」の解説で脚光、1966年からテレビ朝日系「日曜洋画劇場」の解説者として死ぬまで32年間、「サヨナラおじさん」の愛称で親しまれた。

「21世紀日本の構想」
来校したロバート・F・ケネディ米司法長官
内閣総理大臣小泉純一郎

2002(平成14)年4月15日、オープン科目「大隈塾」第1回授業で講演「21世紀日本の構想」を行った

 1998(平成10)年4月1日の入学式で芸術功労者表彰に映画監督の今村昌平。早大一文卒、松竹大船撮影所に入り日活に移籍。作品に「豚と軍艦」「にっぽん昆虫記」など。「楢山節考」「うなぎ」がカンヌ映画祭で日本人初の2度のグランプリ(現パルム・ドール)。

 ホームカミングデー式典(10月21日)の招待者代表あいさつを小渕恵三首相が行った。

 11月28日、江沢民・中華人民共和国主席が「歴史を鏡として、未来を切り開こう」を講演した。対日強硬派で反日教育を実施。対華21か条要求を理由に早大の名誉博士号を固辞している。

来校したロバート・F・ケネディ米司法長官
日産自動車㈱取締役社長兼最高経営責任者 カルロス・ゴーン

2005(平成17)年4月1日の入学式に名誉博士学位が贈呈され、特別講演会が行われた

 2001(平成13)年9月29日、国際会議場井深大記念ホールでインドネシア共和国のメガワティ・スカルノ・プトゥリ大統領に名誉博士号。故スカルノ大統領の長女で、抑圧的スハルト体制からの脱却を求める市民・学生運動のシンボルとなり第5代大統領。「法は民主主義の基本ですが、的確に実施する上では困難も多く、私自身『理想と現実の乖離』などに日々悩まされています。学生の皆さんには法の公正さについて深く勉強してほしいと思います」と述べ、大きな拍手を浴びた。

 2002(平成14)年には、ノーベル化学賞の野依良治・名古屋大学教授が「不斉分子触媒—発見そして展開の軌跡」を講演(3月27日)、満員の聴衆が聴き入る。4月15日、小泉純一郎首相が「21世紀日本の構想」。

 2003(平成15)年3月20日、ノーベル化学賞の田中耕一受賞記念講演。「仲間があったからこそ、自分の研究が生きた。わが国には良い技術でありながら埋もれた技術が 多い。私はエンジニアで学者ではありませんから、不確かな現象でも役に立ち活用できるなら発表し、使う。製品化されて世界に伝わらなければ発展はない」

よみがえる大隈講堂
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