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▼こんな授業! どんなゼミ?

学習環境デザイン~本当の「学び」を求めて~

初見 絵里花/日本語教育研究科修士課程1年

 教育の分野に携わる者は、いかに学習者に「学習」させるかという問題を考え続ける使命を負っている。この問題を考察するために、本講義はまず「学習とは何か」という根本的な問題の見直しを計ることから始まる。

 「学習」とは、教師が学習者に知識を教授することによってのみ成立する現象なのだろうか。教師がそうであるように、学習者もまた能動的に行動する人間である。そのような人びとが共同体となって作り上げているのが教室という場である。

 このような視点から学習者を「考える主体」と捉えなおすと、「学習」とは、『「考える主体」が人やモノ(道具)との相互作用を通して自己を内省し、成長していく過程』であると定義することができる。

グループディスカッションの様子。中央、舘岡洋子教授、右端が筆者。

グループディスカッションの様子。中央、舘岡洋子教授、右端が筆者。

 日本語教室の場合、「考える主体」は教室という社会的な場で、日本語という道具を使ってあらゆるコミュニケーション活動を試みているのだ。

 教師は「学習」を「支援」する者としての役割を担い、学習者の「学習」を支援するための具体的な教室活動をどうデザインすべきかを考えていかなければならない。本講義では具体的な学習デザインの例として、舘岡教授の実践である「ピア・リーディング」を考察している。「ピア・リーディング」とは、学習者同士が協働しながらテキストを読み解いていく活動だ。この活動によって学習者それぞれが多様な読みに触れ、自らの読みを内省し再構築する機会となっている。

 教師をめざす受講生もまた「考える主体」なので、講義では毎回のようにディスカッションの機会が設けられる。今学期の例として、「基本から応用へ」という常識の問い直しや、学習者に知識を詰め込む教育への批判など、さまざまな議論が展開された。私自身、この授業を通して自分自身の考えを内省し、新たな自分を構築することができた。当然、教師の「学習」も、学習者の「学習」をよりよく支援するために不可欠なのである。

(提供:早稲田ウィークリー