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▼こんな授業! どんなゼミ?

漢字を見直す授業「中国の文化(漢字と権力)」

橘 和久/教育学部 3年、橋本 麻美/教育学部 4年

教育・総合科学学術院 内山精也教授(左)。教壇前右から橘さん、橋本さん

教育・総合科学学術院 内山精也教授(左)。教壇前右から橘さん、橋本さん

 「漢字」。我々が普段空気の存在を意識しないように、このあまりにも身近な文字について思いを凝らしたことがある人は少ないであろう。本講義は、そのような漢字に対する理解を深めることが目的だ。

 では、どうしてサブタイトルが「漢字と権力」なのだろうか。その理由は初期段階で明かされる。なんと、古代から近世にかけての中国では、「漢字を使いこなせるもの=為政者」という構図が成り立っていたのである。つまり、紀元前からほんの100年くらい前までの長い間、漢字は中国の庶民にとってあまり身近な存在ではなかったのだ。他にも、「中国古代の字書は、漢字の構成・音・意味の解説が現在のように一つに統合されておらず、それぞれの項目ごとに独立したものだった」や「中国の書法と日本の書道では、作品の評価のされ方が異なる」といった漢字にまつわる意外な話が、映像資料やパワーポイントによる説明を交えつつ紹介されていく。もちろん、先に挙げたような話だけでなく、漢字と科挙との関係や近代のアジア文化圏における漢字の扱いの相違など、専門性が高めの講義もある。

 また、この講義の特徴として、学生の質問が授業を作っている点があげられる。毎回出席者たちはその日の授業でわからなかったことや、その他質問したいことを記入し、提出する。そして、そのうちのいくつかが次の回の冒頭で取り上げられ、教授によって解説されるのだが、この時間がかなりのウェイトを占めているのだ。たいてい30分前後、多いときには1時間以上もかけて質問に答えてくれる。一般教養科目でありながら、これだけ学生とのやりとりがある授業は珍しいと思う。

 私はこの授業を受けて、何事に対しても疑問を持つ姿勢が大事だと痛感した。この姿勢を大事にしていきたい。

字書 漢字を一定の順序に配列し、その読み・意味・用法などを解説した書物。

(提供:早稲田ウィークリー