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▼こんな授業! どんなゼミ?

企業の「管理会計」実践が肌で感じられる講義

岡元 政樹/商学部2年

 管理会計とは、企業の経営管理者が行う意思決定に必要な情報を提供するためのシステムである。しかし、このシステムは経営管理者の心理プロセスにさまざまな影響をあたえて、彼らの行動を組織の共通目標の達成に向けてコントロールするという別の役割も担っているようだ。伊藤先生は、ときに熱く、ユーモアを交えながらこの二面性(情報提供システムとコントロール)をもつ管理会計の仕組みや役割を解説してくれる。

 管理会計は、会計システムであることから財務情報が中心となっている。だが、財務会計のように過去の情報を扱うのではなくて、あくまでも未来予測情報が主役を演ずる。また、時代の要請とともに、非財務的な情報の割合も増してきているようだ。一方で、管理会計もまた実際の企業経営にさまざまな変化や影響を与え、講義ではそうした実例が数多く紹介された。管理会計とはあまり関係のなさそうだが、身近で起こっている食品偽装事件なども登場するので、回を追うごとに、管理会計が見近に感じられるようになる。

 このほかにも、ビデオなどの映像資料を使ったり、企業の方をゲストスピーカー(前期の講義では日本フィリップスとキャノンの方が来られた)として招いて、貴重な経験談を語っていただいたりと、いろいろな工夫がなされている。企業訪問や工場見学にも匹敵する、現場の生の声が教室が教室でも聞くことができた。

 講義の最後には必ず質問を受け付ける時間も設けられ、納得するまで説明してもらえる。しかも、議論を喚起するような内容のものであれば、先生はちゃんと評価してくれる。

管理会計は数値を扱うので、経済学に近いと思っていたが、実は経営学に近いことがこの講義で理解できた。戦略論やマーケティングなどとも随所で関連しているので、これらの科目の履修者には参考になる点も多いと思う。管理会計に興味がある人はもちろん、経営そのものに興味がある人はぜひ、伊藤先生の管理会計論の授業を受けてみてほしい。

(提供:早稲田ウィークリー