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▼こんな授業! どんなゼミ?

認識と測定をめぐるディスカッション
「会計実務ワークショップ」

酒巻 哲也/会計研究科2年

 企業会計は、企業の経済活動を数値と言葉で表現し、企業の活動の成果を株主や投資家等に対して報告する役割を持っている。しかしながら、企業が自社の経営状態をより良く見せようとして偽りの内容を報告してしまうことで、時には粉飾決算が起こり、投資家等が大損害を被ることがある。なぜ、こうした事件が起こってしまうのだろうか。多くの原因があるが、一つには、企業会計の性質上、「見積もり」や「評価」といった主観的な判断を避けて通ることができないためである。そこで、これらの判断方法を具体的に定めるべく、わが国においては、企業の経営成績を具体的に計算し正しく報告する方法としての企業会計の基準と、報告される情報が適正であることを保証するための会計監査の基準が設けられている。

 しかし、会計実務は日々複雑化しているため、実際の企業の現場では、こうした判断をめぐって、わが国の会計基準が制定された当初は想定し得なかった難しい事例が頻発している。このワークショップでは、そうした「白黒つけがたい」多くの事例に基づいたテーマを取り上げ、毎回異なる小グループに分かれてディスカッションを重ねる。主張のスタンスを明らかにするため、企業の管理職、監査する公認会計士、アナリスト等の役割を与え、責任ある主張が求められる非常に実践的な授業である。

 企業の実務慣行を熟知し、会計監査の最前線に携わる持永先生の講評と鋭い指摘は、資本市場と金融行政の在り方から日本再生論まで及び、職業人として求められる思考力の鍛錬の場となる。また、将来、私たち会計研究科の学生が、会計専門家として実務に従事することを考えたときに、思考過程に関する事前準備としての安心感も得ることができる。

(提供:早稲田ウィークリー