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▼こんな授業! どんなゼミ?

「社会保障法」菊池馨実ゼミ
~実は……あれもこれも社会保障法なんです!~

田中 奈緒子/法学部4年

 未曾有の大不況の中「派遣切り」、「年金不信」、「介護難民」などのニュースが連日報道されている。「社会保障法」というと「?」かもしれないが、これらの社会問題は全て「社会保障法」の対象である。

 社会保障法は現状の社会保障にかかわる法制度の次の一手を法学的視点で考察する、きわめて実践的な学問である。年金制度をどのように再設計するか、今後増加が予想される介護事故などの訴訟をどういう法律構成で解決するか、学部で勉強した民法や憲法、行政法などの法律知識を総合的に応用することが求められるのである。

 我らが菊池先生は、現場重視のアクティブな先生だ。日ごろのゼミでの判例・制度研究に加えて、扱うテーマ毎にフィールドワークを欠かさない。例えば、生活保護について学ぶならホームレスの更生施設へ、高齢者介護なら特別養護老人ホームへ、障がい者福祉なら作業所や特別支援学校といった具合に現場視察へ出かける。

 その一方で、厚生労働省や都庁や区役所を訪問して行政側の考えや対応を知る機会も与えられ、現在進行中の社会保障法の関連裁判を傍聴して、弁護士から直接説明していただく機会も用意してくれる。

 ゼミ生はマスコミで報道されない現場の真実や行政側の政策理念を知り、その上で判例や制度を研究することで多角的な視点が身に付く。ゼミ生の進路もさまざまだ。このゼミで得た知識や法的思考力はどのような分野に行こうとも通用するからだろう。

 素顔の先生はコンサドーレ札幌のサポーターでもあり、落語も嗜む多趣味な方である。飲み会の席では社会保障について熱く語ることもあれば、社会人のマナーを教えてくださり、ゼミ生の相談にも熱心に乗ってくださる人格者である。菊池ゼミがアットホームな雰囲気であるゆえんは、先生の人柄と、ゼミ生の仲が良いことであろう。

 

 ゼミで得るものは単なる学術的な専門知識にとどまらない、法的思考力や現代人の教養といえる。

(提供:早稲田ウィークリー