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教育

▼こんな授業! どんなゼミ?

インストラクショナル・デザイン
~『出逢いの授業』の真の魅力~

石川 奈保子/人間科学部3年

 インストラクショナル・デザイン(InstructionalDesign:以下ID)とは、「何かを上手く教えるための技術と科学を扱う学問」である。ここでの「教える」には、学校の授業に限らず、「後輩に仕事を教える」、「おじいちゃんに携帯電話の使い方を教える」といった日常的な場面も含んでいる。行動分析学や認知心理学などの「理論」を基に、教える側が教えられる側にどう働きかけるかという手法を学ぶ。

 私は仕事の精度を上げたくて大学に入り直し、この授業に出合った。IDの最初の講義で、いかに自分が何の理論も方法もない状態で仕事をしていたかということに衝撃を受けた。そして、講義のあまりの面白さにハマった。

 そのため、私が最も面白いと感じたのは、内容以上にその講義の方法である。IDの授業だけあって、学生に考えさせ、定着させるためのさまざまな工夫がなされている。また、向後千春先生はとてもおちゃめな上に、話し方がユーモラスで、たとえ授業で難しい用語が出てきても学生にそうとは感じさせない話術の持ち主である。

 この講義は、教室授業とオンデマンド授業が隔週で行われる。オンデマンド授業では理論を学び、出された課題に対する解答をCourseN@viで送信する。教室授業では毎回6人程度のグループに分けられ、課題に取り組む。このグループワークでは、ゲームの説明書作りや上手なスピーチ作りなどを、皆でワイワイ話し合いながら行う。学期中に、このグループを3回ほど作り替える。これが「出逢いの授業」と呼ばれるゆえんである。ただし、やる気のある学生が多いため、もしオンデマンド授業を見ずに講義に出ると少々痛い目に遭う。教室授業の最後には内容確認の課題が出され、「大福帳」と呼ばれる評価シートに解答を記入して提出する。課題の評価は、授業で用いた用語と実例が解答に入っていれば100点、といった明確な基準が設けられている。

 この講義は課題が多く、出席もきちんと取るので、決して「楽勝科目」ではない。しかし、真剣に取り組めば、実社会でも通用する「一生もの」のスキルを身につけられることは確かである。

(提供:早稲田ウィークリー