早稲田大学の教育・研究・文化を発信 WASEDA ONLINE

RSS

YOMIURI ONLINE

ホーム > 教育 > こんな授業! どんなゼミ?

教育

▼こんな授業! どんなゼミ?

社会文化研究(ドイツ語)
自分一人に先生二人という贅沢?

矢島 駿/政治経済学部4年

政治経済学術院
縣(あがた)公一郎教授

政治経済学術院
室井禎之教授

 この授業の本来の内容は、回ごとに決めたテーマについて、文献を通じて得た情報をまとめ、その結果をグループごとに発表するというものである。しかし今期は、学生の私1人に対して先生が2人という、異色のクラス構成となった。それゆえ、私自身の卒論テーマである「現代統一ドイツにおける左派党の台頭と社会民主党からの支持者流出(仮)」をそのまま授業のテーマとして扱った。

 ここで授業内容を少し紹介しよう。左派党「Die Linke」とは、旧東ドイツで一党独裁を行っていた社会主義統一党の後継政党である。東西統一直後は西側で見向きもされず、単に旧東ドイツの地域政党に過ぎなかった左派党は、最近になって西側独自の左派政党である社会民主党(SPD)の支持層を取り込み、西側でも急速に勢力を伸ばしてきている。

 「左派党は東の地域政党の地位を脱し、全ドイツ規模の政党になりつつあるのか? あるいは単に、社会民主党への不満の受け皿として一時的に利用されただけに過ぎないのか?」以上が私の卒業論文における、現時点での問題設定である。

授業で実際に用いたテキスト

 私の毎週の課題は、左派党に関するドイツ語の文献を精読し、その内容を独文のレジュメに要約することであった。そのレジュメに対して、まず室井先生が文法上のチェックを入れてくださり、その後は縣先生と内容についての議論を重ねる、というのが通常の授業のおおまかな流れである。議論する際に使用する言語は全てドイツ語で、授業というより、もはやゼミの雰囲気である。

 確かに、討論のたたき台となるレジュメ作りは決して楽な作業ではなかった。けれども、その結果としてドイツ語で集中的に文章を書く経験をし、また学部でも有名な2人の先生を独り占めできる非常に贅沢な経験ができたことは、レジュメ作りの苦労に十分に見合うものであったと私は思っている。今後の論文執筆は、この授業で得られた知見を最大限に活用しながら進めてゆきたい。

 本気でドイツ研究やドイツ語と向き合いたい人にはぜひおすすめの授業である。

(提供:早稲田ウィークリー