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教育

▼こんな授業! どんなゼミ?

「カリキュラム研究」
~学生自身の被教育体験と成長を見つめる~

佐々木 このみ/教育学部4年

安彦先生の一言にハッとすることも多い

 2010年度後期の「カリキュラム研究」の大きな柱は、学生自身の「被教育体験の考察」と「子どもの発達段階の理解」の2つであった。

 まず被教育体験の考察では、「ゆとり教育」について扱った。現在大学に通っている学生の多くが、いわゆる「ゆとり世代」に属している。「ゆとり世代」と総称される自分自身をどのように受けとめているだろうか。実はこの「ゆとり教育」という言葉は、メディアがつけた造語であり、正式な行政上の用語ではない。受講生は大臣、政治家、学者、ジャーナリズム、学校教員など各界関係者の発言資料を基に、それぞれの視点から分担して「ゆとり教育」の是非について考察し、発表する。「学力低下は『ゆとり教育』のせいではない。『ゆとり教育』の理念自体は間違っていないが方法が不適切」など、受講生の考察に対して、現・教育・総合科学学術院特任教授安彦忠彦先生は的確な意見や指摘をされる。安彦先生は、文科省設置機関の中央教育審議会の委員でもある。「ゆとり教育」に対する批判が強まる中で、当初その批判論者の一人だった安彦先生が、責任者として関わったのが平成15年の学習指導要領一部改訂である。実際に国の教育行政に関わっている安彦先生だからこそ分かる事実や視点があり、受講生が学ぶところも大きい。

 子どもの発達段階の理解については、テキスト『成長のものさし』(チップ・ウッド著,2008)と、『日本子ども資料年鑑』などの配布資料をもとに講義がなされる。自身の発達段階を意識しながら成長する人はいないだろう。12歳で「最近家族よりも友人との関わりが主になってきた。これが社会性の拡大か!」などという自覚はない。子どもの発達段階を見ていくことによって自分が過去に抱えていた悩みや葛藤が、発達段階的に当然のことだったのだと気付かされ大変興味深い。

 2012年3月、安彦先生は定年退職されるとのこと、卒業前により多くのことを安彦先生から学びたいと思う。

子どもの「今」を知る多くの資料が配付される

(提供:早稲田ウィークリー