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▼こんな授業! どんなゼミ?

マス・コミュニケーション発達史01
「メディアの歴史から現代を考える時間」

関口 裕/政治経済学部3年

講義で使用される2冊のテキストである。メディアに興味がある者にとっては、特に学ぶところの多い内容になっている

 「歴史を学ぶのは、そこから得られる教訓を現代に生かすためである」

 このような訓話をどこかで聞いたことはないだろうか。私は土屋礼子先生のマス・コミュニケーション発達史01の講義を受けて、まずこの言葉を思い起こした。講義から実際に、歴史を学ぶ意義を学び取ることができたからである。

 土屋先生の講義では、幕末の「読売かわら版」から第二次大戦、そしてイラク戦争の報道まで、メディアの発達過程を広範に渡って論じる。そこから獲得できるのは、単なる知識だけではない。マス・コミュニケーションが発達するにあたって歩むことになった道程は、我々がどのようにメディアに関わるべきなのか、その現代の課題に対する解答を一人ひとりが考える契機を与える。例えば、明治から昭和にかけて、記者やジャーナリストは演説者でもあり、発禁処分を受けても演説で主張を伝えようとしていた。こうしたジャーナリストの姿は、近未来にメディアの一翼を担うかも知れない学生たちに、いかなる精神を持つメディア人になるべきかを熟慮させるだろう。また、アメリカ大統領選の勝敗は「スピン・ドクター」という、候補者のために適切と思われる広告や宣伝活動を利用してメディアや世論を操作しようとするプロ集団に、少なからず左右されてきたという事実がある。これは、世論の形成者でもある学生たちに、いかなる態度でメディアから情報を受容するべきか、反省させ再考させる一例といえる。このように、講義で学ぶ事実のそれぞれは、現代に通じる問いを提起している。

 講義を実際に受けている現在、メディアに関心を持ち、接している学生ならば、この講義を受けるべきであると考えている。メディアの発達過程を学習することで浮揚してくる、現代の問いに対する解答を探求することは、これからさらに多様なメディアと関わりを持つようになる我々にとって、重大な意味を持ってくるだろう。

講義で解説のために用いられる資料は半期でかなりの量となる。また、実物や映像を目にする機会も多い

(提供:早稲田ウィークリー