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▼こんな授業! どんなゼミ?

「仏教漢文の世界」
(文学部・文化構想学部)

平田 博満/文学部2年

仏教漢文は日本的思索の源泉

 「仏教漢文の世界」は、文字通り仏教に関わる漢文を読む講義である。仏教になじみのない人には、なんともいかめしそうな講義だと思われることだろう。確かに、仏教が一般的に親しまれているかといえば、そんなことは無さそうだ。その理由を考えてみると、第一にそこで使われている言葉になじみがないからではないかと思う。だが、この講義を受ければ、日本という国に育った人にとっては、仏教がそう遠く隔たったものではないことが分かる。

 仏教経典に書かれている漢字は、私たちが今日使うそれとそう異なったものではない。だが、いざ漢文に対峙すると、初めはそれがどのように使われているのかさっぱりである。それもそのはず、仏教漢文で使われる漢字は、今日私たちが使っているそれとは違う意味を成すものも多いのだ。しかし、私たちが毎年慣習的に行う仏教的行事にも、そんな漢字にまつわる興味深いエピソードがある。

授業では、普段あまりなじみのない「仏教」の世界を大久保先生がわかりやすく解説してくれる

 例えば国民の休日である「お盆」。物を載せる器のお盆を思い浮かべて、不思議に思った人もいるかもしれない。この言葉は、その起源は諸説あるにしても、中国を経由して日本全国に広がったものであることが確かめられている。私たちはお盆の行事として食べ物を供え先祖を供養するが、そういった習わしが「お盆」の行事に加わったのは経由地中国においてである。つまり、「ぼん」に近い音が「盆」と中国で音写されることによって、食べ物を器に載せて供えるという行事の形式が生まれたのだ。

 講義を担当される大久保良峻教授は、難解な漢文を丁寧に書き下し、ちょっとした小話を挟む軽妙な語りで私たちを仏教世界へ誘う。すると意外にも、仏教が私たちの身近なところにあることを発見するのである。そしてこれまで意識されなかった仏教の世界観が、甚深かつ魅力の尽きないものであることを知るだろう。

(提供:早稲田ウィークリー