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▼こんな授業! どんなゼミ?

Theoretical Economic
Policy IIB

陳 琳/経済学研究科修士課程2年

厚生経済学を分かり易く解説してくれる松本先生

 「厚生経済学や社会的選択理論は何を研究しているのでしょう?」と多くの大学生に質問しても、おそらく7割の人は何をターゲットとする授業なのかよく分らないでしょう。同じ質問を経済学を学んでいる学生に聞いても、ごくわずかの学生しか、明確に説明できないのではないでしょうか。厚生経済学と社会的選択理論の歴史を見れば、その一つの原因が分かると思います。

 経済学の歴史は、他の学問と比べ、非常に短いといえます。中でも、厚生経済学と社会的選択理論の歴史は、経済学の発展の歴史の中でも、極めて短いのです。厚生経済学という表現は1920年に出版されたイギリスの経済学者、アーサー・セシル・ピグーの主著『厚生経済学』によって最初に用いられたものです。また、社会的選択理論は1951年にアメリカの経済学者、ケネス・アローの著作『社会的選択と個人的評価』によって、世に知らされました。

 この2つの著書の内容がこの授業の主な研究のターゲットです。厚生経済学と社会的選択の理論は、社会の基本構造の設計方法や経済政策の立案方法を工夫し、社会を構成する人々の福祉を改善する社会科学の一つの新しい分野です。

 この授業を担当する松本保美先生は、海外のさまざまな大学で講義をされたご経験があります。授業は主に英語ですすめられるので、日本人の学生はもちろん、日本語が苦手で英語しかできない留学生にとっても、お勧めな授業です。授業の流れは、厚生経済学あるいは社会的選択に関する学生の発表に対し、先生が丁寧に解説し、説明を加え、誤りを訂正していきます。実際の経済ニュースに対し、選択理論の観点からの解析もありますので理論研究一辺倒な授業ではありません。時には授業が笑いに包まれることもあります。

 厚生経済学と社会的選択の理論の領域はまだ研究している人も少なく、他の専門分野に比べれば深く掘り下げられてはいません。たくさんの「宝=発見」が隠れていますから、何か新しい発見や驚きに興味のある研究心が高い学生にはお勧めの授業です。

(提供:早稲田ウィークリー