早稲田大学の教育・研究・文化を発信 WASEDA ONLINE

RSS

YOMIURI ONLINE

ホーム > 教育 > こんな授業! どんなゼミ?

教育

▼こんな授業! どんなゼミ?

ジェンダーを通じて現代へ
西洋史IB「西洋近代とジェンダー」

情野 翔太郎/法学部3年

 弓削尚子教授が担当しているこの授業の大きなテーマは、女性史のような20世紀後半の女性運動の基礎となった学問がどのように生まれ、現在、どんな意義を持つのか知るということです。ジェンダー問題に興味があっても、それが主題の授業をとるのはためらってしまう人は多いかもしれません。女性史というと思想との関連が深く、難しいという印象を抱きがちです。しかし、ジェンダーについて体系的な講義を受ける機会を逃すのは惜しいことだと思います。これらの学問は、現代に、正面から批判や疑問を投げかけてくれるものだからです。

 授業では、女性史、ジェンダー史のほかに家族史、身体史、男性史といったテーマにも幅広く言及されます。例えば、ジェンダー史や男性史を取り上げた回では、インターセクシャルやホモセクシュアルなどの社会的立場が歴史的にどう変化したか講義を受けました。近代社会が、彼らを「性的少数者」として線引きし、社会的弱者へと差別化していった過程を聞くにつけて、自分のこれまでの問題意識の低さを痛感しました。人を性別によって区別し、個人差を考えずに枠にはめようとする「ジェンダー秩序」が、いかに近代以降の歴史を支配しているかを知るのは、誰にとっても大きな価値のあることです。現在、「ジェンダー問題は女性だけのものではない」という言葉をよく耳にします。私は、これを、男性も女性問題解決に関心を注ぐべきという意味だけで捉えてきましたが、男性も男性自身のジェンダーやセクシュアリティに自覚的であるべきという意味での理解も重要なのだと今は思っています。

 授業のほんの概略しか書けませんが、私自身は講義を通して常識や価値観を鵜呑みにする怖さというものを考えさせられました。ジェンダー的視座は、弱者からの視点を基礎に、不当な差別への敏感さを養ってくれるものです。ぜひとも興味を持って授業に臨み、自分なりの発見をする場として、有効に活用してもらいたいと思います。

この回では日本の中絶薬も話題に

(提供:早稲田ウィークリー