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▼こんな授業! どんなゼミ?

憲法ⅠB・ⅡB(法学部設置科目)

立憲主義とは何か~今、憲法に向き合う意義~

森 琢真(もり・たくま)/法学部 2年

 安倍政権が集団的自衛権の行使容認を前提とした「安全保障関連法案」を強行採決した2015年。昨年はまさに憲法の意義が問われた1年となりました。国会前では連日デモが行われ、「この法案の強行採決は民主主義への挑戦だ」といった意見や、「民主主義の下で正当に選挙された国会こそが民意だから問題ない」といった反論がありました。しかし、多くの国民がこの話題に関心を寄せながらも、憲法とは何か、「立憲主義」とは何か、その本質を考える議論はあまりなされなかったように思います。憲法の条文は他の法律に比べて少ないですが、最高法規であり、その解釈の問題は非常に重要です。中島 徹(なかじま・とおる)教授の「憲法」の授業では、その解釈や立憲主義について学生が自発的に考え、発言することが求められます。

 この授業では、昼休みの時間を使って憲法に関する社会問題のニュースや映画を上映し、授業内でそれらをヒントにレジュメのキーワードを交えながら、憲法に関連する社会問題について考えます。授業では考えることが重要視されるため、中島先生の質問に学生が答える機会が多々あります。先生の質問は非常に鋭く、私たちの回答に対し的確な指摘をしてくださいます。他の学生の意見を聞くことで新たな視点を発見することもできます。

憲法に関する映像を視聴した後、それをヒントに質疑応答の行われる中島徹教授の講義

 例えば、これまで、「集団的自衛権の行使は違憲」と言われても、なぜ違憲なのかきちんと理解できていませんでしたが、中島先生の講義を通して真剣にその理由を考え、理解することができました。「憲法上の論理が成り立たなければ、それはただの『青年の主張』にすぎない」と中島先生はおっしゃり、ただ「憲法の危機だ」と声高に叫ぶのではなく、「なぜ、どのように、憲法に問題があり、それはいかにして解決すべきなのか」を考えさせられました。

「立憲主義」とは、憲法の根幹を成す概念であるにもかかわらず義務教育の「公民」の授業ではほぼ登場しません。立憲主義の本質は究極的には一個人の基本的人権を擁護することにあります。その立憲主義が歴史的にどう発展してきたか、今後はどうあるべきなのかを知ることで、今まで見えてこなかった問題が見えてきます。

 この授業を通して、私は民主主義では救いきれない社会的弱者の方々を「立憲主義」の立場から救っていかなければならないと思うようになりました。日本国憲法が制定されてから今年で70年です。さらに、18歳以上の国民に選挙権が付与されます。今こそ憲法の力、在り方が問われていると思います。将来の日本を背負っていく私たちに、憲法とは、「立憲主義」とはいかなるものかを考えさせてくれる、そんな授業です。

(提供:早稲田ウィークリー