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▼こんな授業! どんなゼミ?

専門ゼミI(科学史・科学論)【人間科学部設置科目】

何が本当に正しいのか? 精神への深い洞察力を身に付ける

金子 有咲(かねこ・ありさ)/人間科学部 4年

 東日本大震災以降、「科学技術をどう扱うべきか」「何が本当に正しいのか」「生きるとはどういうことか」といった問いに向き合う機会が増えています。

 加藤茂生講師の「専門ゼミⅠ(科学史・科学論)」では、まさにそのような人間にとって根源的な問いを研究の出発点としています。「自己とは異なる他者への想像力を育て、人間の精神への深い洞察力を身に付ける」ことが、ゼミの目標です。先生のご専門は東アジア近代史と科学史・科学哲学ですが、学生は歴史学・哲学の領域の中で自分の問題関心に沿った問いを立て、研究を進めることができます。原子力発電技術の問題など科学論のテーマから、美とは何か、死とは何か、といった哲学的なテーマまで、さまざまな問いを持つ学生が集まり、それぞれの研究を発表し、議論し合いながら、洞察力・想像力・論理的思考力を深めています。

加藤講師(前列右から2番目)を囲むゼミのメンバー

 加藤講師は、樹木のような包容力のある先生です。何でもご存じなのでは? と思うほど博識で、幅広い問題関心を持つ学生一人一人に合わせて温かくご指導くださいます。また、日々のメールには季節を感じる一言が添えてあり、拝受するたびに爽やかな気持ちになります。加藤講師のお人柄に引かれてゼミに入る学生も多く、私もその一人です。

 私は学部で自然科学・社会科学・人文学の垣根を越えて学ぶ中で、自分の切実な問いと科学の研究方法との間にずれを感じ、先人の言葉から考えるという根源的な視角で「人間とは何か」を追究したいと思い、加藤ゼミに入りました。現在は、「対話の中で他人を理解するとき、なぜうれしく感じるのか」という問題関心から、フランスの哲学者エマニュエル・レヴィナス(1906~1995)の思想を基に他人の「理解」と快の関係を研究しています。毎週木曜日の発表が一週間の軸となり、忙しくも充実した大学生活を送っています。

四季の移ろいが美しいキャンパスで、考え事がはかどります

(提供:早稲田ウィークリー