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▼こんな授業! どんなゼミ?

「専門ゼミⅠ・Ⅱ(行動分析学)」【人間科学部設置科目】

行動分析学の理論でより良く生きる(well-being)

酒井 拓海(さかい・たくみ)/人間科学部 3年

 人間科学部には、文理の壁を越えたさまざまな学問領域から、多角的かつ学際的な学びを得ることができる授業やゼミが、数多く取りそろえられています。その中でも、私は大月友先生(人間科学学術院准教授)による行動分析学ゼミで、日々より深い知見を得ています。

 このゼミでは、人間を取り巻く環境や刺激と、それに伴う行動を起こすまでのプロセスを学びます。例えば、「ある行動について、環境からどのような刺激が与えられ、どのような随伴性が働いているのか」や、「普段の何気ない会話や行動は、どのような刺激関係の上に成り立っているのか」など、行動を分析するための環境や刺激について深いところまで追求していきます。

参考文献と、個人発表用に作成した資料

 ゼミは、行動分析学に関する文献や論文をおのおのでまとめたレジュメを使い、発表と議論を繰り返します。自分たちが理解しきれていない部分を大月先生の専門的な知識で補っていただき、日常的にある具体例に置き換えることで、行動分析学の理解を深めていきます。

 私が取り組んだ内容は、「ルール支配行動の解説」でした。これは「ルールに支配されている行動」と言い換えるとなんとなく理解できるかもしれません。私は、ルール支配行動の種類や、ルールをルールたらしめる刺激機能の背景など理論的な側面と、ルール支配行動が我々の人生や考え方に与えている影響について解説しました。自らの力で分析し解説した後に、先生からのフィードバックとゼミ仲間からの意見を得ることで、自分の知見にさらに磨きを掛けることができます。また先生も学生も一緒になって、皆で高め合っていくことができます。

左:ゼミ中に熱弁される大月先生 右:話しやすい環境にするために、ゼミ生はコの字に座ります

 さらに、ゼミでは「じぶん実験」というものにも取り組みます。これは、行動分析学の理論を、自分の生活レベルに落とし込んで、実際に自分自身で実験をするというものです。まず、「夜早く寝るには?」「毎日野菜を摂(と)るには?」「単位を一つも落とさずに取得するには?」のような日常的に解決したい問題を挙げ、目標を設定します。そして「それを達成するために、○○という行動を増やす/減らす」という具体的な標的行動を絞り出し、そこから身の回りの刺激や手段などを試行錯誤してじぶん実験に取り組み、掲げた目標の達成を目指します。

 このように行動分析学ゼミでは、行動分析学を学ぶことで知見を深められるだけでなく、それを普段の生活に応用でき、さらには自らのwell-being(より良く生きること)につなげることができます。毎回、変わっていく「じぶん」を実感できるゼミです。

テーマについて分析・解説する筆者

(提供:早稲田ウィークリー