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長谷川 貴大(はせがわ・たかひろ)/スポーツ科学部1年 略歴はこちらから

北京パラリンピック、アーチェリー日本代表 次の目標は五輪出場!

長谷川 貴大/スポーツ科学部1年

 柔らかい笑顔とマイペースな話口調。思わず「天然?」と突っ込みたくなるような彼だが、時折その言葉の端々に、意志の強さが垣間見える。「北京パラリンピックでは金メダルを取りにいきます!」と、にっこり。まさに、“能ある鷹は爪を隠す”。

 ごく普通の少年だった長谷川さんが病に侵されたのは、小学校3年生の時。突如として右足が2倍に腫れ上り、病院で告げられた病名は「ユーイング肉腫」。非常に稀なガンの一種で、足の切断を余儀なくされた。「でも、手術の麻酔から冷めたときは、足のことよりも空腹であることの方が重大に感じましたね」。持ち前の気丈さで、3年間に渡るリハビリを克服。6年生の時、家族と出かけたレジャー施設でアーチェリーと出合った。「試してみたらいきなり真ん中に当たって。周囲に『才能がある!』と言われて、単純だからその気になって始めちゃいました(笑)」

 とはいえ、アーチェリーを教わる環境が周りになく、練習はもっぱら独学。「やればやるだけ結果が出る。練習は嘘をつかない」と、1日に500~1000射をひたすら打ち続けた。また、精神面のバランスが重要な競技なので、試合当日をイメージトレーニングすることで緊張を分散し、試合でも冷静さを保てる強い精神を身に付けたのだという。「ずっと独学だったので、大学ではアーチェリー部の仲間とアドバイスし合えるのがうれしいですね!」と語りながらも、「“ぴーぷる”に載ったと知られたら、先輩にからかわれるかな…」。ちょっと困った照れ笑いを見せる。

 今年の8月で発病から10年。がん再発のリスクが一段落する時期と、北京パラリンピック出場がちょうど重なった。自身にとって大きな節目になるだろうが、「パラリンピックは僕にとって通過点」と言い切る。健常者の全国レベルの大会でも数々の実績を持つ長谷川さんが、真に目指すのは五輪出場だ。「まずは目の前の目標を一つひとつクリアしないと!」。北京のその先を見つめ、果てしない挑戦の日々は続く。

(提供:早稲田ウィークリー

長谷川 貴大/スポーツ科学部1年

1989年千葉県生まれ。県立津田沼高等学校卒業。スポーツ科学部1年。アーチェリー部所属。2006年、アジア・オセアニアアーチェリー選手権大会優勝。同年、日本記録樹立。07年JOCジュニアオリンピックカップ第25回全国高等学校アーチェリー選抜大会シード選手。IPC世界ランキング3位(08年5月23日現在)。趣味は読書、映画鑑賞、スポーツ。