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図書館設立を目指す
ミャンマー生まれの「ワセ女」

モンミャッテュ/社会科学部

 「図書館を一目見て、早稲田に入学したいと思いました」と、モンミャッテュさんは笑う。無類の読書好きの彼女にとって、250万冊もの蔵書数を誇る中央図書館は「まるで夢のようでした…」と、瞳を輝かせて話す。もともと日本には縁があったモンミャッテュさん。1940年代、祖父が留学生として徳島大学に在学した。祖父は彼女が生まれる前に亡くなってしまったが、いまだに大学時代の友人が墓参に来てくれるという。「会ったこともない祖父だけど、日本でどんな学生生活を送ったんだろうと思いました」。それが日本語に興味を持つきっかけだった。

 母国の大学で日本語を学ぶうち、日本からミャンマーへ届く支援物資が必要としているところに行き届いていない現状に気がついた。原因の多くは、言語の不通。「日本語が出来るミャンマー人が、間に入って調整しなくては!」と一念発起、日本への留学を決めた。国際協力の実践方法や理論を学ぶ中、自分だからこそできる支援があるはず、と思いついたのが「小さくてもいいから、母国に図書館をつくる」ことだった。ミャンマーの都市部を除く地方では、いまだに家業を手伝うために通学を断念する子どもたちが多い。けれど、通学ができなくなったとしても図書館があれば、そこで本と出合える。「いつでも誰もが本を通して、いろいろな体験ができる場所それが図書館だと思いました」。図書館づくりの手始めとして、身寄りのない子どもたちを預かっている母国の寺院に、絵本を届け始めた。 もう読まなくなった絵本を集め、ミャンマー語の訳をつけて送っている。「まだがらがらな状態なので、まずはこの本棚がいっぱいになるのが夢です」。

 本がどんどん増えていけば、いつかは図書館になる。そう信じる傍ら、いつも自分に言い聞かせている言葉がある。いちばん好きな本『星の王子様』で、バラを大切にしている王子様に、狐が言う言葉だ。“きみはきみが親しくなったものに、いつまでも責任があるんだ。きみのバラを最後まで、面倒をみなくちゃいけない”「早稲田での4年間で、この言葉の意味と共に、人との出会いの大切さを強く感じるようになりました」。そして「あと2年以内に、図書館をつくるという夢を実現したいです」と新たな決意を話すモンミャッテュさん。 きっと心の中には、夢という名のバラが咲いているに違いない。

(提供:早稲田ウィークリー

モンミャッテュ

1984年ミャンマー・ミッチーナー生まれ。ヤンゴン外国語大学卒業。2006年、本学社会科学部入学。現在、国際協力を学ぶゼミに所属。WAVOCの学生スタッフとしても活躍している。今、指針としている書籍は『マイクロソフトでは出会えなかった天職』(ジョン・ウッド著)。この著者にも負けない気概で、ミャンマーに小さな図書館をつくるべく、奮闘中。自他ともに認める「生粋のワセ女」。趣味はガーデニング。