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濱本 茉莉 略歴はこちらから

風に乗り、セールを操る
早稲田の頼れるスキッパー 濱本茉莉

濱本 茉莉/スポーツ科学部卒

 ヨット競技では、とにかく素早い判断がものを言う。海上にマークを浮かべ作られた規定のコースをどれだけ早く周回できるか、すべては風の動きを読みきった者が勝つのだ。「同時に、相手との駆け引きもしなければならないので、体と頭がフル回転です」。にっこりしながらあっさりと濱本さんは話すが、競技中の映像を見てその過酷さに驚く。ヨットに乗る……どころではなく全身のほとんどが海上に乗り出している。「風力の様子をうかがいながら、自分の体でバランスを取らなくちゃいけないので、ヨットに乗るというより足をひっかけている感じですね」。レース会場である海は気まぐれ。波が高い日もあれば、逆に風がほとんどない日もある。「風の流れのちょっとした変化も見逃さずに、頭で判断する前に体が動く。練習を重ねていくうちにそんな瞬間をつかむことができます」。ウィンドサーフィンを教えていた父に誘われ、9歳から始めたヨット。深く黒々とした海底に恐怖を覚えたり、海中に落ちてべそをかいたりとさんざんな思いもした。「だけど、父から“いやなら、やめてもいいよ?”と言われると悔しくって。"ううん、やめない"って泣きながら海に出ていたんです(笑)」。かくしてその後10余年もの月日を経て、早稲田の名を掲げた名スキッパーが誕生したのだ。

 チームで臨む競技においては、自分の役割をしっかりこなし、チームに貢献することが最優先だ。「早稲田に入学して、合宿を重ねるうちに『自分に何ができるか?』ということを意識するようになりました」。女子主将としてチームを牽引するようになってからは自分が果たすべき役割とともに、レースの流れをつくることも意識した。「ほんのちょっとしたミスが、大きな事故につながることもあります。大きな賭けに出たくなる気持ちをぐっと抑えて、現順位を守りつつ、徐々に相手を引き離していく戦法で優勝しました」。

 卒業後は“おいしいものを食べるのが好き”なことを活かした会社に勤務する。「大分から東京に出てきて4年。いちばん好きな場所は築地です!」。活気あふれる築地にいると、なんだか自分まで元気になるような気がする。「なにより築地の場外市場には、安くておいしいごはんのお店がいっぱいあるんですよ!」。海を愛する父より海の名をもらい、海でその知恵と体力を駆使して闘ってきた。ヨット部渉外担当として培った経験を礎に、4月からは社会人として新しい船出を切った。

(提供:早稲田ウィークリー

濱本 茉莉(はまもと・まりん)/スポーツ科学部卒

1988年大分県生まれ。大分県立別府青山高等学校卒業。今春、スポーツ科学部を卒業。2009年ヨット部女子主将として活躍、インカレにおいて総合優勝を果たす。2010年4月からは、メルシャン株式会社に入社。大好物は母特製の春雨入り餃子。