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今村 佳祐 略歴はこちらから

はじまりはタイムマシン
自動車レースの覇者、かく語りき

今村 佳祐/理工学部卒

 今から4年前の春、自動車部のガレージを目にした途端、今村さんは確信した。「オレの天国はここや!」。生粋の東京出身なのに、思わず関西弁になってしまうくらい「嬉しかったんですね……」と当時を振り返る。父も筋金入りの車好き。国産のスポーツカー愛好家で「よくちょこちょこ車をいじっていました」。父の影響もあり、成長するにつれて車への興味は増していった。「極めつけは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場するデロリアンです」。主人公マーティを過去に送り込むタイムマシンとして使用された車モデルが、デロリアン社のDMC-12という車。そのボディ、その走りにすっかり魅了された。理工学部の機械工学科に入学したのも「とにかく機械のメカニズムが好きだから。自分で実際に触れてみたかったんです」。

 入学後、本気で打ち込める部活がしたいと思い、いろいろ見てまわった今村さん。新歓時期に自動車部を知り……そしてレースと練習とメンテナンスに明け暮れる日々を送ることとなった。自身の努力が、レースの結果につながってくる。その積み重ねが楽しくて、4年間はあっという間だった。4年生になってからは、組織としてのあり方を考える機会が増えた。「自動車部としてチームがきれいに動いている時は、勝てる時なんです」。勝利の感触を知っているからこそ、言えることもある。「勝ちにこだわったり、欲を出すと自滅してしまう。普段どおりに気負わないことが勝ちへの一番の近道だと知りました」。組織に対する考え方や見方が鍛えられた4年間でもあったと、今村さんは言う。

 ガレージにある修理中の車輌内部には、なぜか太い支柱が躯体のように組まれている。これはなんのために? 「車輌がスピンアウトした時に、車体が潰れてしまわないためのガードです」。スピン? 潰れる?! 「部員のほとんどが経験しますね(笑)。だいたい1回転なんですけど、2回転半したつわものの先輩もいました」。その先輩は今、テストドライバーとして活躍しているという。「スピンも含めてですけど(笑)、自動車部じゃないと体感できないことがあるんですよ。万全の体制で臨んでいるので、もちろん怪我人は出ませんが、非日常を普通に体感できるのが自動車部の最大の魅力かと」。4月からは、株式会社ブリヂストンで働き始めた今村さん。オイルがしみこんだつなぎ、所狭しと置かれたタイヤの数々。万感の思いをこめてガレージを見上げながら、今村さんは「ここは、ほんとうに僕の天国でした」とにっこり笑った。

(提供:早稲田ウィークリー

今村 佳祐(いまむら・けいすけ)/理工学部卒

1986年東京都生まれ。開成高等学校卒業。今春、本学理工学部を卒業。2009年度、自動車部副将としてさまざまなレースで活躍。全日本学生自動車運転競技選手権では小型乗用個人の部で優勝。お気に入りの映画は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。4月より、株式会社ブリヂストンに勤務。