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日本とスペインの架け橋を目指して

辻 翔子/スポーツ科学部4年

 いちばん好きなスポーツはサッカー、と辻さんは白い歯を見せて笑う。サッカーファンの父に連れられて横浜F.マリノスの試合を見に行っているうちに「すっかりサッカーにはまってしまいました」。4歳から通学していたインターナショナルスクールでは、第2外国語が必修。スペイン語を選んだ理由は“世界で活躍しているサッカー選手と話せるようになりたいから”だった。鍛錬の結果、日常会話には困らないレベルまで上達。辻さん曰く、語学上達のコツはいつも辞書を持ち歩き、外国語に少しでも触れる時間を作ること。「語学を学ぶ力って筋肉と同じで、毎日毎日少しでもいいから鍛え続けていないと、どんどん衰えていってしまうんです」。日・英・西トリリンガルの辻さんにとって英西辞書は大切な相棒。10年以上の付き合いになる相棒は、もうすっかりボロボロだ。電子辞書も持ってはいるが「いざ手がのびるのは、やっぱりこっちの辞書ですね」とほほ笑む。

 スペイン語のニュースや新聞記事が理解できるようになってくると、実際に話してみたくなる。そんな時、財団法人日本スペイン協会が主催するスペイン語弁論大会を知った。最終選考に残り「La Holgura espanola/スペイン人と余裕」をテーマにスピーチ。「言葉を通してスペインの文化を知れば知るほど、時間に対する意識の違いを感じるようになりました」。自分の予定を時間に合わせるのではなく、何よりも自身の生活のリズムを大切にするスペイン人。「日本だったら何分の電車に乗るために、何時に起きなくちゃ、という考えが普通ですよね?でもスペイン人は違う。自分は何時に起きたいから、この時間の電車にしか乗れないな、と考えるのが普通なんです」。当初は、この考え方に正直とまどった。けれども、郷に入っては郷に従え。「シエスタをとるのも午後の仕事を効率よく進めるため。サッカーの試合は、みんなが見られるように夜遅くからキックオフ。だから交通機関や、お店も真夜中を過ぎても営業しています。日本では“ありえない!”習慣も、それぞれの時間を大切にする思いから生まれたんだな、と」。個人の時間を大切にする意識が、心に余裕のある時間の流れを作っているのではないか? その考えをスピーチで述べ、みごと朝日新聞社賞を手にした。

 語学を究める選択肢もあったが「サッカーも含めてスポーツが大好きだから、専門的な知識を得たい」と考え、スポーツ科学部へ進学。経験不足を理由に入部できないかも? と心配していたア式蹴球部女子にも入部できた。週6日は部活に励んでいる。現在は教職課程を履修する傍ら、家庭教師のアルバイト、スペイン語の勉強に大忙しの毎日だ。将来はスペインの大学院に進学し、スポーツの現場で語学を活かした仕事ができれば……と話す。トルシエ元日本監督の右腕として活躍した通訳、フローラン・ダバディ氏のように、いつか自分も……と決意を新たにする辻さんだった。

(提供:早稲田ウィークリー

辻 翔子(つじ・しょうこ)/スポーツ科学部4年

1988年神奈川県生まれ。国際基督教大学高等学校卒業。スポーツ科学部4年。石井昌幸准教授の「国際スポーツ文化論」ゼミに所属。ア式蹴球部女子部にも所属、FWを務める。2009年11月に開催された「高円宮杯 第44回全日本スペイン語コンテスト」にて朝日新聞社賞を受賞。横浜F.マリノスの大ファン。趣味は旅行、語学と映画鑑賞。イタリア語とバスク語にも挑戦中。お気に入りの映画は「スパニッシュ・アパートメント(2001年仏・西合作)」。