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プレゼン成功の秘訣は白衣?
学生デジタル作品コンテストグランプリ受賞者、おおいに語る

伊賀 陽祐/国際情報通信研究科(GITS)修士課程2年

 今年の2月13日、アップルストア銀座はいつになくにぎやかだった。その日はアップルジャパン(株)が主催するコンテストのプレゼンテーション部門の最終審査が行われ、グランプリが決定されるとあって、熱気にあふれていた。「本番は思ったよりも落ち着いて発表できました。一番うまくできたかもしれないですね」。伊賀さんのプレゼンテーションタイトルは“Sheet Metaphor Interface”。現在主流の指先のみを使うコンピュータ操作に対して、人間の手が本来持っている多様な機能をコンピュータ操作に反映することを提案した。最終審査の前々日、ワークショップ仲間の前でデモンストレーションを行った伊賀さん。「時間配分などの簡単なチェックをしてもらうくらいの感じだったのですが……」。わずか10分しかない発表時間内で、はじめてプレゼンを聞く人たちの心を動かすためには、もっとキャッチーなことをするべきだ、との指摘を受け内容を全面改正。本番では在籍研究科名を背につけた白衣をはおり、対話形式をとりいれたプレゼンをした。「かなり“はじけた”感じだったと自負していたのですが、講評で『もっと過激にしてもよかった』と。えっ、あれでも足りない!? (笑)。でも対話形式で進めたことが『印象的で、理解につながった』と評価していただきました」。

 絵を描くことが好きで、高校卒業後は東京造形大に進学した。卒業後は“人を楽しませる仕事”がしたいと思い、クリスマスのイルミネーションなどを企画・提案する会社に就職。仕事をこなしていくうちに「街と人との関わり方」に興味がわいてきた。コミュニケーションのコンテンツのあり方について、もっと学びたい。思いは高じて長幾朗教授のインターフェースデザイン研究室で学ぶため、GITSに進学。入学して驚いたことは留学生が多いこと。63人の在学生のうち日本人学生はわずか3人。「プロとして、国際的なものづくりをするには最適の環境です。仲間とコミュニケーションをとるために、いやがおうにも英語力も向上しますし(笑)」。さまざまなことを学び、培ったプレゼン力の成果もあり、修了後の就職先も決まった。

 「“七人の侍”の撮影エピソードなのですが、最初の予算では思うような作品が撮れないと思った黒澤監督がある賭けに出るんです。予算をすべて使い切って、これからどうなる?という一番おもしろいところまで撮ったものを、映画会社側に見せた。“続きが知りたければ、制作費を出してください”と提案された会社側は“こんなにおもしろいなら、仕方ない”と納得し、映画は完成したんだそうです。さすがは黒澤監督……と同時に、これはすごいプレゼンだな! と思いましたね」。もっとプレゼンの持つ力を探って、自分の力にしていきたい。そう言葉を結ぶ伊賀さんだった。

(提供:早稲田ウィークリー

伊賀 陽祐(いが・ようすけ)/国際情報通信研究科(GITS)修士課程2年

1979年兵庫県生まれ。獨協高等学校卒業後、東京造形大学を卒業。国際情報通信研究科(GITS)修士課程2年。長幾朗教授のインターフェースデザイン研究室に在籍。アップルジャパン株式会社主催の第3回学生デジタル作品コンテストのプレゼンテーション部門にてグランプリを受賞。2011年4月からはシャープ株式会社に入社予定。ベルギー在住の現代美術家パナマレンコの作品が好き。お気に入りの映画は「七人の侍」「スカーフェース」。