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稲波 紀明 略歴はこちらから

夢は宇宙船のオーナー?!
早稲田の杜から、宇宙の海へ!!

稲波 紀明/ファイナンス研究科1年

 「僕が宇宙旅行に行き、こんな時代でも頑張れば夢はかなう! そんなことを子どもたちに伝えたい」と、生き生きとした表情で語る稲波さん。2012年、初の日本人民間宇宙旅行者としてヴァージンギャラクティック社主催の宇宙旅行に参加予定だ(※)。

 高校時代、科学雑誌『Newton』を読んで、宇宙に興味を持った。弘前大学、名古屋大学大学院に進学し、物理や素粒子宇宙物理を学んだ。人生の転機は2005年。当時、普通のサラリーマンだった稲波さんは「まさか当選しないよね……」と、たった1名の日本人枠に応募。ところが予想に反して宇宙旅行に当選してしまう。「当時はまだ、宇宙旅行という概念がない。スペースシャトルの断熱材が剥離した事故のニュースが流れたり、宇宙へ行く=危険という認識でした。何故お金を払って危険を冒すのか。まともじゃないですよね。親にも反対されましたし。でも宇宙に行って地球を見たいという好奇心が、恐怖や不安に打ち勝ちました」。当選をきっかけに、さまざまな経験をし、いろいろな人とも出会えたという。「普通のサラリーマンではできないことも経験しました。実は……妻との出会いも宇宙旅行当選が、きっかけなんです(笑)」と、少し照れた様子で話す。宇宙旅行の費用は20万ドル(約2,200万円)かかる。工面はどうやって? 「アルバイトや仕事の収入をコツコツ貯金していたものを元手に資産運用しました」。資産運用って、難しくない? 「面白かったですね。その経験がきっかけでファイナンスに興味がわいて、MBA(経営学修士)を取りたくなりました」。早速、職場に隣接している本学ファイナンス研究科を訪れた。「僕の勉強したいことがすべてここにある!!」入学を即決したという。

スペースシップとともに

 「投資って、実は学問だと知りました。宇野淳教授の『仮想市場実験』では、投資の体験実習ができるんです。例えば企業の株を半分を買い占めて、一気に売っちゃうとか。現実の市場ではとてもできないですよ。そして結果を授業で話し合う。こんなこと他では経験できないです!」と瞳を輝かせて本学の感想を話す稲波さん。「あとすごいなぁ、と思うのが早稲田の人脈の広さ。そして愛校心の強さ! 研究科の仲間たちとカラオケに行くと、みんなこぶしを振り上げながら『紺碧の空』を大合唱するんです。最初は驚きましたけど、今は一緒にこぶしを振り上げて熱唱しています(笑)」。

 稲波さんの夢はふたつある。「一つは、今学んでいることを生かして、会社経営をし、社会貢献をしたい。そしてもう一つは、宇宙を身近なものにし、子どもたちに夢を与える事業をしたい。実はその一環として愛知県で仲間と宇宙船を作っているんですよ」。宇宙船?! 「ええ、今のところは趣味ですけど(笑)。宇宙飛行士になれる人って限られているし、宇宙旅行も現状は莫大な資金が必要ですよね。だから将来は、もっと低価格で身近なもの、普通の人でも宇宙に行ける……という時代を作りたいんです!」と熱く語る稲波さんだ。

 今年の早稲田祭では宇宙旅行のイベントをする(下記参照)。「6Gに耐える重力訓練や、0Gの無重力訓練の映像は必見です! このイベントを通して、早大生のみなさんが宇宙を身近に感じてもらえると嬉しいです」。夢を語る稲波さんの瞳には、人々が気軽に宇宙へ旅行する未来が見えているのだろう。
(※)宇宙旅行の時期は予定である。

ヴァージングループ会長、リチャード・ブランソン夫妻とともに

稲波さんが乗り込む宇宙船

0G状態での訓練風景

最新の宇宙旅行を大公開
早大生、ついに宇宙へ旅立つ!!

日時:11月7日(日)15:00-17:00(開場14:30)
場所:早稲田キャンパス15号館 102教室
司会:青森漫才あどばるーん(宇宙漫才で、会場を夢と笑いの渦へ巻き込みます)
ゲスト:松浦晋也氏(ノンフィクション作家。著作『国産ロケットはなぜ墜ちるのか』など)
袴田武史氏(WLSJ。世界最高の30億賞金レースGoogle Lunar X PRIZEで優勝を目指し、民間人で初めて月面探査に挑戦)
協賛:美容院 miq(イベント参加者は、美容院miq高田馬場店のカット代が、半額の2,000円に!)

(提供:早稲田ウィークリー

稲波 紀明(いなみ・のりあき)/ファイナンス研究科1年

1977年愛知県生まれ。愛知県立一宮西高等学校、弘前大学理学部物理学科を卒業し、名古屋大学大学院理学研究科素粒子宇宙物理学専攻を経て、日本アイ・ビー・エム株式会社に入社。2005年のヴァージンギャラクティック社提供「宇宙旅行」の日本人枠に当選。ファイナンス研究科1年。現在は一児の父として家事や子育てをしながら、経営学等の研究をする充実した日々を過ごしている。特技は料理。「中華が好きですね。家族からは豚の角煮や餃子が評判いいです」。お気に入りの映画監督はスタンリー・キューブリック。「2012年の宇宙旅行には、一緒にWASEDAベアを連れていきたいですね(笑)」