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まちづくりで黒川賞受賞!
土木計画三人組、景観・デザインを語る

古川 日出雄/創造理工学研究科1年
並木 義和/創造理工学研究科2年
小林 徹平/創造理工学研究科1年

  建設工学、と聞くと一般的には少々とっつきにくいイメージがあるかもしれない。しかし、町並みや風景などに関わる「景観・デザイン」と聞くとどうだろう?

 並木さん、小林さん、古川さんの三人は昨年、岐阜県恵那市での景観まちづくりワークショップ『明智プロジェクト』に参加。そこでの経験をまとめ、土木計画学研究委員会主催の第5回公共政策デザインコンペに出品した。彼らのプロジェクトの中心になった恵那市の明智地域は、昔から地域活性化への意識が高く、活発な意見交換もできた。それでも地域住民の方々が本当に求めているものを描き出すことは苦労したという。「僕たちはデータ上のことでしかその地域を知らない。よそ者なんです。だからこそ、自分自身も町を歩いて楽しみながらまちづくりを考えたいと思いました」。古川さんはこうも言う。「楽しんで取り組むことは重要ですね。住民の方々が楽しみながらまちづくりをしているところは町自身がイキイキしています」。並木さんも「今回のワークショップは僕らにとっても貴重な経験でした。だからこそ、お世話になった住民の方々への恩返しの気持ちも込めてコンペに出品したんです」と話す。「歴史や地形、多種多様なデータを集め解析していく作業以上に、地域の方々と交流することが僕にとって興味深い経験でした」と話すのは小林さんだ。それぞれの思いを胸に、自分たちの考えたアプローチが評価され、コンペでは栄えある黒川賞を受賞した。

小林 徹平さん

 三人が「景観・デザイン」に興味をもったきっかけは? 「人が行きたい、来たい……と思う空間をつくりたいな、というのがきっかけですね」と、小林さんが話す。「高校時代、町の中に自分が苦しい時に、行って休みたい…と思える場所がなかったんです。だから心が休まる空間づくりがしたくて景観・デザインを専攻しました」。研究室に入って最初の研究課題は自分の町の調査だった。「この課題で地元住民側の視点、調査側の他者としての視点、ふたつの視点でものを見ることを学びました」。

古川  日出雄さん

並木  義和さん

 まちづくりに興味があったから景観・デザインを専攻した、と話すのは古川さんだ。「もともと地域に密着したまちづくりを仕掛けることに興味があって。住民の方々が日々感じていることを互いに語り合い、大学で学んだことを活かして形にすることができたら、と思っています」。将来は行政や専門家などの仕事として関わるか、地域住民として関わるかはわからないが、もっとまちづくりの現場に関わりたいという。「僕にとってのまちづくり=自己実現なんです。どんな関わり方でも楽しめると思う」。イキイキとした表情で話す。

 一方、研究室では二人の先輩になる並木さんは、学部生時代にも地域活動に関わっている。「計算や理論などの勉強ばかりで『これがいったい何につながるんだろう』と悩んでしまって。そこで地域活動に参加したのですが、気持ちばかりが先行して結局おしつけのようになってしまって……。『学生として地域に貢献できことは何だろう?』という疑問だけが残っていました」。そんな時、景観・デザイン研究室の掲示板に先輩たちの研究内容レポートが貼られているのを見て「こんなやり方があるんだ! 自分なりのやり方でアプローチできるんだ!」と目からうろこが落ちる思いだった。早速、景観・デザインを専攻し、今はもう2年目。学ぶにつれ土木だけではなく建築そのものについて研究したい気持ちが高まってきた。「今、ダブルスクールで早稲田の芸術学校にも通っています。建築を通して人間の思考というものが見えてくるのではないか? と思っています」。

 景観・デザインを通して、自分の欲するもの、そして目指したいものが見えてきた三人。進む道は異なっても、早稲田で学んだ経験を活かし夢に向かって歩んでいる。

土木分野の基礎は橋梁!!

早稲田の友情の架け橋!!

※公共政策デザインコンペ黒川賞

 全国の土木計画研究者で構成される土木計画学研究委員会が主催するコンペ。都市の活性化につながる提案全般を募集し、黒川賞は公共政策にふさわしいビジョン・目標が指し示され、合意形成や資金調達等についても工夫が提案されている企画に贈られる賞である。応募作品の中から1点のみ選出される。

(提供:早稲田ウィークリー

古川 日出雄(ふるかわ・ひでお)/創造理工学研究科1年

1987年兵庫県生まれ。千葉県立東葛飾高等学校卒業。創造理工学研究科1年。好きな食べ物は、「しろくまくん」と「ガツン、とみかん」(8月現在)。

並木 義和(なみき・よしかず)/創造理工学研究科2年

1986年埼玉県生まれ。私立芝高等学校卒業。創造理工学研究科2年。カレーの食べ歩きが趣味。

小林 徹平(こばやし・てっぺい)/創造理工学研究科1年

1988年神奈川県生まれ。神奈川県立秦野高等学校卒業。創造理工学研究科1年。趣味は旅行先での路地裏歩き。現地の人と交流するのが大好き。